・・・長い間待った新刊は、風の盆祭りの裏のドロ沼が関わってくるものの、浅見とセンセのやり取り、コミカルな描写もあり、含めて全体を通して優しさのある物語が展開されています
祭りの鮮やかな描写や、帯にある死者の魂魄といった幻想的な設定まで、内田康夫作品独特の世界観に引き込まれました
特に、ミステリーのジャンルで、幽霊、魂といった存在を使っても有りだと思えるのは、この作者の作品の特徴だと思います
強烈な謎や強いサスペンス要素、謎解きを求める人には物足りないと思いますが、夏が去り行く哀愁漂い始めた此の頃に良く似合う、作品だと個人的に思います