クリームとジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス以来ギター・ロック・トリオ編成でのバンド、作品は数多く創られてきた。最近では、THE MUSEのように、音楽的に素晴らしいバンドも活躍している。しかし、3人のメンバーがテクニックの限りを尽くした演奏をするというリスナーが期待する3ピース・バンドは、いまだに全盛期のクリームを超えるロック・トリオは出ていない。G.ベイカーなど70近い今でも、いまだに手数の多いドラムを叩いている。しかし、ECMレーベルで実現したこのトリオは、テクニックと音楽性でクリームを超えている。ウェザー・リポートの初代メンバーのベーシストのVitousと数々のECM名作に参加している当代一のドラマーDejohnetteのリズム・セクションと変幻自在のRypdalのエレキ・ギターが作り出すサウンは、叙情性にあふれながらスケールが大きいジャズロックだ。Vitousのアルコ・ベース(弓引きのウッドベース)が炸裂する「3. Will」と「5. Flight」が素晴らしい。テクニックをひけらかす音楽ではないが、3人のテクニックの凄さは嫌でも伝わってくる。

ECMの人気順で行くと、124位でした。これはいけないということで、急遽ペンを取ります。
ECMファンのヒト、ギターの好きなヒト、これはロックでもフュ−ジョンでもジャズでもかまいません。このアルバムは必聴ですぞ。
旅先での朝焼けや夕暮れ、雄大な海や山・・・このような風景を前にすると、テリエのギターが頭の中で鳴り響きます。
何でもギターアルバムベスト10があれば、絶対はずせないアルバムです。聴いた方は絶対そう思うはず。
テリエのもっと新しいアルバムで、ジェフベックもびっくりの非常に危険なジャズ・ロックアルバムがあります。見つけたらそちらにもレビュー書きます。

Beautiful! Peaceful! Perfect!　This is the ECM!