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川釣り (岩波文庫)

価格: ¥31
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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名人芸を堪能せよ ★★★★★
文章を書くということは、一種の自己主張である。したがって表現活動で個性を出すことなど大して難しいことではない。しかし、本書からはそういったものがあまり伝わってこない。書いてあることは川釣りのこと。それ以上でもそれ以下でもない。きっと芸当は並みの文筆家に出来る芸当ではないということだと思う。個性個性と、個性という名を借りた醜いまでの自己主張が繰り返される現在、井伏氏のこのような『粋』な名人芸はこれからも輝き続けるのではないだろうか。
自慢話ばかり… ★★☆☆☆
かなり期待して買ったが、あまり面白くない。日本の釣り文学では有名な本であるが、著者も冒頭で書いている通り、ほとんど思い出話や自慢話である。著者の釣りの師匠が「十年釣りをして三行書け。」と言ったそうだが、本書に関して言えば、書くに及ばずと思う。これは井伏のマスターベーションだろう。
憎めない登場人物 ★★★★★
井伏鱒二の文章から、釣りに関するものが収録されている。
氏の文章には飄々とした詩の趣があるが、ここに収録されている散文にもまた軽妙なユーモアが含まれている。

「白毛」「ワサビ盗人」等々、氏の文章にはなかなか悪い奴が出てくる。
しかしどういうわけか、憎みきれない。
「駅前旅館」にしろ、氏の文章中に出てくる登場人物は、人間的な匂いがプンプンする。
悪いのには相違ないのだが、憎しみよりも微笑みのほうが似つかわしい。

釣り好きでなくとも、十分楽しめる一品。
釣り好き小説家の書く釣り語り ★★★☆☆
井伏鱒二を初めて手に取りました。

敷居の高い本かと思いましたが、非常に気さくな語り口で、釣り好きのおじさんが遊びに来た時に思い出を語ってくれているような本です。
それでいて、時折、ちらりと文学を感じさせてくれるあたりがあります。

川釣りに行く時に鞄に入れて持っていきたくなる、そんな本です。

人生の諸相 ★★★★☆
 1952年に岩波新書として出たものの文庫化。
 井伏鱒二はアユを好んで釣った。周囲の人々はなかなかの腕前と評していたようだが、実際には、それほどでもなかったらしい。本書でも、もっと上手く釣りたいなあと坦懐する場面がいくつも出てくる。そういう意味では、親しみやすい一冊であった。
 しかし、本書には幾篇かの小説も収められている。「白毛」「掛け持ち」など、いかにも井伏らしい作品ばかりだ。日常と事件と人間性が、釣りに絡めて巧みに描き出されている。素朴な話なのに、恐ろしい。