THE HIGH-LOWS
★★★★★
ヒロトとまーしがブルーハーツを解散させまた新たなバンドを作った。
そしてアルバムの一曲目からグットバイというとてもインパクトのある始まり方になっている。
僕的にはブルーハーツよりハイロウズの方が好きです。
歌はカッコいいし本当に考えさせてくれる歌詞。
そしてまだ生きろと思われてくれるメッセージの強さ。
今のバンドにはないものを持っている最高のバンドの1stアルバムは本当にお勧めです。
1995
★★★★★
いや、聴くこちら側に先入観があることは疑う余地もないのであるが、本作4の「BGM」を聴いて、その"けれん味のなさ"、あるいはジャンプをせずに"ホップ・ステップ"を繰り返す楽曲の愛らしさにブルーハーツの影を見てとってしまうのは、ザ・ハイロウズにとっては遺憾なことなのだろうなと思う。真島昌利と甲本ヒロトの曲がちょうど6曲ずつ収録されていて、"キャリアはいらねぇ、ギャグにもならねぇ"(「ヤ・バンバ」より)と歌われて、それは当人たちの言葉だから好むと好まざるとにかかわらず受け容れざるを得ないのだろうが、「少し時間をくれませんか?」とバカな頭をフル回転してみたくもなる。
ソロ+バック・バンドという形は、甲本・真島両氏の頭になかったという。「誰かのCDを聴いて"この人のギターうまいな"と思って一緒にやっても、たぶんつまんないだろし…」という甲本の発言は、実にもっともである。『PAN』のレコーディング時に大島賢治に叩いてもらった脈絡で彼がドラムスに決定し、エンジニアの紹介で調先人がベースに決まった背景には"単純にみんなの音がカッコよかった"という気持ちがあった。
入手当時思ったのは、確かに7や10などを聴くと、ザ・ハイロウズがブルーハーツなる脈絡なしに鳴らしたい、形にしたい欲求や、新たに飛び立ってゆく何かを感じることは可能である。しかし、僕はウジウジしている。おそらく、彼らのライブを観れば、確たる出発の音がステージ上にあって、それを確認できるのかもしれないけれど、僕はまだライブを観ずに本作でウジウジしようと思う。
とっくに自由になってた人達
★★★★★
そして大人になった人達。というのは必ずしも悪い意味でも批判的な意味であるわけでもないが、だがもしかすると人によってはこれは悪い事なのかもしれない。「自由は溢れてる」と断言し、金を燃やし気が向いたら金を稼いでは無駄遣いする(ジュージュー歌詞より)というような遊び方・生き方を楽しむ彼らにはもはや表面上あからさまな社会に対する怒りはあまり見られなくなった。皆無になってしまったなどとは思わないが、(初期)ブルーハーツの時よりは明らかにメッセージ性が後退している。あるいは言われるほどメッセージ性は弱まっておらずむしろハイロウズ以後も若干説教的だったりするにしても、少なくともそのメッセージの方向性や見栄えが明らかに初期ブルーハーツなどとは変わった。
雰囲気や態度についても真面目さや真剣さ、深刻さ、暗さといったものは殆ど皆無といっていいほど薄れに薄れて、ひたすらいい加減で怠惰な感じになり、ひたすら遊び楽しむ事を目的にしたような雰囲気が蔓延している。(念を押すが蔓延と言っても別に悪い意味で言ってるわけではない)それはある人達には面白い事であり、別の人には悪い事でもあるだろう。例えば未だに自分には自由がない、日頃から学校や社会などに自由を殺されていると感じている人はブルーハーツには共感できても、「自由は溢れている」といって遊びほうけるハイロウズはあまりに遠く感じられ、その脳天気さがムカつきさえするかもしれない。実際ハイロウズはかなりの程度脳天気ではある。堅苦しいメッセージや深刻な悩みをあえて忘れて明るく遊びほうけたり純粋に音楽を楽しんだりする。ハイロウズはそういう傾向が強い気がする。
最初はちょっと短いかもとも思ったが曲のまとまり、アルバムの完成度も高いと思う。ブルーハーツが終わりハイロウズとしての最初の一曲がひたすらバイバイバイと連呼する『グッドバイ』、そしてではハイロウズは何をやってくれるのか、どんな曲をやるのか、それに対する一つの答えが多分二曲目に配置される『ママミルク』、この圧倒的な意味性の排除とひたすらブルースハープと戯れる様のカッコ良さには脱帽、個人的には本アルバムで一番お気に入りである。その後の流れにも自然さと勢いがあって楽しく一気に駆け抜ける。『バナナボートに銀の月』は所謂マーシー曲。「たくさん欲しいわけじゃない ちょっぴり欲しいだけなんだ」というロックンロールにしては謙虚な歌詞が印象的で彼らしい。ただヒロトのハープなどが絡まないのは少し残念。個人的にはマーシーボーカルにはヒロトのハープがガンガン絡んでいて欲しい。そして何だかんだアルバム通して遊びほうけても最後は『日曜日よりの使者』でしんみり締めてくる辺りがまた良く、彼ららしい。その真面目さ、詩的さは本アルバム中随一であり、最後の曲に相応しい名曲だ。
グッドバイ
★★★★★
ヴォーカル甲本・ギターは真島というブルーハーツからのコンビでありながら、それまでの彼等とは違う作風を見せた1st。
ギラついた真島のギターと太いリズム隊、キーボードがバンドの音をより分厚く感じさせる。
意味を汲み難い歌詞もあるが、そんな事はお構いなしの勢いがある。
ブルーハーツとの決別を表すかのような「グッドバイ」から「日曜日の使者」まで、ハイロウズが事実上解散した今こそもう1度聴いてみて欲しい。
Blues Rock
★★★★★
一時はイギーポップみたいにぎらぎらしてたボーカリストのいる和製ロックンロールバンド。サウンドはかなり極太。ルーツがまんまブルーズやニューオーリンズの音楽。怒りや激情をぶつけるさまは圧巻。ギターの斬り込みかたの密度がかなりアップしているのはうれしい誤算。バンドのアンサンブルがひとつになって聞くものに襲い掛かる日本では珍しい本格派バンド。パンクマインドをしっかり保持できているたのもしいバンド。ライブでその威力を発揮するバンドとみた。「ロックで踊れる」というのがコンセプトか。(8)