読みやすさが一番
★★★★★
水滸伝の翻訳は、駒田信二氏や吉川幸次郎・清水茂氏のものなどありますが、どちらも厳密・正確ではあっても面白みに欠けます。
「水滸伝てどんなお話なのかな~?」と思っている人におススメは、この村上知行氏のものでしょう。原文の「勢い」を重視し、時には踏み込みすぎではと思うところまで、読みやすく、かつ面白い日本語を使って訳出しています。
正統派の百回本・もっとも長い百二十回本などではなく、百八星が勢ぞろいするまでの七十回本を翻訳のテキストにしているところも、「読者が面白がってくれるかどうか」というところに力点を置く村上氏の姿勢が良く現れています。(賛否両論あるでしょうが。)