年老いた雌猫との思い出
★★☆☆☆
作者が幼い頃に飼っていた年老いた雌猫との思い出を綴った、ごく短いエッセイ(でなければ、おとぎ話)。
猫に寄り添い、そのリズムを感じながら現実とは別の時間、別の空間へと思いを馳せた、作者の創作の原点とも言えるような体験を追想している。
文章は横書きで、文字のサイズは大きめ。
読み仮名は多めに振られている。
子ども達にも教えてあげたい。
★★★☆☆
幸せとは温かく柔らかいことであり、
どこまでいっても変わることはないんだということを、
年老いたおおきな雌猫から教えられた「ぼく」。
「長いあいだ使われていなかった広い風呂場のような午後」‥、
「できたての地球みたいに」‥、
「秘密をかかえたほそい銀色の魚たちのように」‥、
などなど、村上春樹さんのクオリティの高い比喩が
キラキラと散りばめられている文章を、
子ども達にも教えてあげたいですね。
大人が読んであげるなら、かなり小さい子でも
「ふわふわ」のニュアンスは伝わると思います。
定番の安西水丸さんとのコラボですが、
ふわふわ感を伝えるなら、黒井健さんや
林明子さんなどでも良かったかな‥と。
個人的な感想ですが。
なんといいますか
★☆☆☆☆
この本にお金を払う価値は無い
・比喩表現
全体的に詩のような表現を用いているのに「たとえば」「まるで」などの直喩は野暮だと思う。
さらに表現そのものは世界を見せるものではなく、共感しづらいかっこつけの自己満足。
ふたりはからまりあうようにして、まるでおなじみの泥水みたいに転がってるらしいですよ、奥さん。
・()
なぜ、()を何度も使っているのかわからない。
たいした内容でもなく、統一性があるわけでもない。
この本と一緒でいらない。
・絵
ヘタクソな絵を味があるというのは簡単ですよね。
年老いたおおきな雌猫を描けていますか?
太陽の温かさをたっぷり吸いこんだ毛皮を、
前足をそろえている姿を、
ふわふわの美しい毛皮を表現できていますか?
ぼくはそうは思えません。
なんかいい
★★★★★
僕は猫を飼ったことはないのですが、なんかいいです。比喩を駆使した村上さんの文章、ほのぼのとした安西さんの絵、魅力的です。「ふわふわ」というシンプルなタイトルも気に入りました。
呼吸がゆっくりになる
★★★★★
猫という小宇宙の中で呼吸しているボクの幸せで穏やかな時間が描かれている。猫を飼ったことのない人も生き物の命の尊さが伝わると思う。大人のための童話。急ぎすぎてちょっと疲れたかなと思った時にどうぞ。