対象年齢が高めのおとぎ話
★☆☆☆☆
日本出身の小説家,村上春樹と、彼の著書のカバー装画を手がけてきた漫画家(絵本作家、イラストレーター)の佐々木マキによる絵本。
童話としてはそれほど易しくない印象の物語で、読み仮名も多くは振られていない。
作者独特のダークでミステリアスな世界観がある。
対象年齢は主に十歳以上。
余韻
★★★☆☆
読み終わって、なんだかよく分からないが、いいもの読んだと感じた。
作者の意図とかはよくわからないけども、心地いい余韻が残った。
喪失感
★★★★★
『羊男のクリスマス』とあわせて読んだが、『羊男のクリスマス』が純粋なファンタジーであるのに対し、本書にはそれに尽きない何かがある、と思った。「母にそう言われているからだ」というような箇所が何箇所かあったのが意味深だと思った。見えない束縛のようなものを描いているようでもある。
「僕」の絵がすべて後ろ向きなのは、「僕」の顔を描かないことによって、「僕」は特定の顔を持った特定の誰かではない、ということを表そうとしているからなのかもしれない。そして、「僕」が失う様々なものは、多くの人が人生の中で出会う喪失を表しているようでもある。
印象的
★★★★★
村上春樹さんが書いた絵本。
イラストがとっても可愛かったです。
村上ワールドそのままの、ちょと謎に満ちた内容でした。
「ぼく」はある日、図書館で、図書係の老人と出会う。
だけれど、その老人に騙されて「ぼく」は牢屋に閉じ込められてしまう。
羊男と一緒に。
牢屋は、羊男が住んでいる部屋だった。
ある日、二人は脱出を試みるが、迷路のような部屋が続き、、、。
ちょっとグロテスクな部分もあり、最後は少し寂しい終わり方だった。
印象に残る一冊。
ブックデザインを楽しむ
★★★☆☆
児童にぜひとも読んでいただきたい一品。何かは分からないがもやもやとした焦り、恐怖感を味わうことができます。ブックデザインが面白いので、いろいろな意味で記憶に残る一冊となりうるでしょう。