お釈迦様は関係ないですね・・・
★★★☆☆
「マリア様がみている」のスピンオフ作品。
福沢祐巳の弟である祐麒が主人公となる、マリみての姉妹編……ならぬ姉弟編です。
タイトルからいって、「マリア様」を「お釈迦様」と替えただけの冗談みたいな作品ですが、内容は男子校・花寺学院の実状と、祐麒くんの苦悩の学院生活を描いた、男同士の友情物語です。
しかしこれ、最初から色々と設定がおかしい。入学した途端に源氏と平氏という”派閥”のどちらかに生徒を属させるって……何ですかそれは?そんな風に対立させることに何の意味があるのか、甚だ疑問です。
しかもそのどちらも選べなかった生徒は、みんなに敵視され孤立するって……架空の設定とはいえ、やり過ぎでしょう。
逆境の中で育まれる友情みたいなものを表現したかったのでしょうが、なんだか空回りな展開が続きます。それでも、アリスの”男らしい”所が見れたり、祐麒くんのファーストキスの相手が判明したりと、楽しめる部分もいくつかあります。
それでいてBLというわけでもなく、どの辺の購買層を狙っているのか判らないのが残念ですが。
これ以降、このタイトルはまさかのシリーズ化することになりますが、結局は「マリみて」のキャラとの絡みもあることだし、マリみて本編も再開してほしいですよね……ファンとしては。
色んな意味で落第作。
★☆☆☆☆
花寺学院の高等部は源氏(運動部)と平氏(文化部)のどちらかに属さねばならず
また属した時点で選ばなかった方の派閥とは敵対しなくてはならないという
摩訶不思議なシステムが存在します。リリアン女学園の上級生が下級生を導くという
指導性のある理由とは違い、共存どころか仲間割れしていがみ合わせるのが目的のようです。
一体何のために?って感じですがまあ男版リリアン女学園を意識した結果でしょう。
それにしても祐麒が花寺高等部の特異なシステムを今まで知らなかったのはおかしいです。
いくら野球部に所属して忙しかったとは言え、それでも一度くらい耳にはするでしょう。
とても幼稚舎から花寺に通っていた生徒とは思えないくらい無知なのにはビックリです。
せめて知ってはいたけど入学するまでスッカリ忘れていた・・くらいにしましょうよ(苦笑)
リリアン女学園の生徒は中等部からスール制度が話題に上がってるんですよ?
あとまだこの変なシステムに疑問があるのですが、祐麒が入学して間もなく
すでに教室内で源氏と平氏の派閥割れが起きていますよね。
弁当も同じ派閥の者としか食べず、トイレに入る時も自分とは違う派閥の者に対しては
舌打ちや睨みあい。小等部、中等部はそんな派閥さえないのに高等部に入って
源氏と平氏に別れた瞬間にいきなり敵愾心が生まれるということでしょうか?
そんな馬鹿な話がある筈がないって思うんですがねえ・・。
こういう状況になってしまうには、中等部の頃から高等部のシステムを浸透させて
敵対認識を強めておく必要があります。源氏と平氏に分かれたから敵対するだなんて
ここの生徒はどれだけ純粋(バカ)なんですか?もはや洗脳装置が起動してるとしか思えません。
いっそリリアン女学園を男子校にして、花寺学院を女子校にした方が良かったんじゃないですか?
女子の陰湿さがこの上なく顕著に出ていると思います。
私は待望の花寺編でした!!
★★★★☆
賛否両論の「お釈迦様」ですが、実は一番好きなキャラが祐麒の私にとって
待望の花寺編で、待ちに待っていた!!シリーズ1です♪
驚いたのは、花寺高校入学時に、野球青春の挫折や、苛めにも近い日々を、
あのいつもクールな祐麒が受けていたということでした!!
これには本当に驚き。もしかしたらこの戦いの日々が、現在の強く優しい
彼を形成したのかもしれませんが…。
運命的な柏木優との出会い。そして親友となる小林やアリス、先輩達との
巡り合い。まさに「福沢祐麒物語」第1巻に相応しいスタートです。
マリみ本編では分からなかった、実は激しい柏木さんと祐麒の喧嘩や、
ナイーヴであるが故に、孤立してしまう祐麒の不器用さなどが描写され、
祐麒・柏木ファンとしては堪らない一冊です。
確かに「マリみ」本編がおろそかになるかもしれませんが、私は個人的に
しばらくこの「……ボーイズラブなの??」な、かなり間違っている男子校物語(笑)
を楽しみたいと思っています。(コバルトの中ではBL線か、その辺りのラインは微妙)
それにしても柏木さん…祐麒のファーストキスを見事奪取していたとは!
台詞がそのままアニメの声優さんで聞こえるのも、「マリみ」の
アニメが成功している結果だと痛感しました。ぜひこちらもOVA化を!!
「マリみての番外編」…
★★★☆☆
「(あくまでも"マリみての")番外編」として書いて欲しかった。
マリみてで、祐麒(とか花寺のアリスとか小林くんとか柏木さんとか)とリリアンの関わりがあった話を裏側視点で書いて欲しかったなあ。
いろいろ突っ込みたいとこはありましたが、まあ、独自設定で納得できないことはないんですよ。
ただひとつ。
高校生男子ってあんなに群れますかね?(笑)
マリみては、ありえそうでファンタジー、ファンタジーそうでありえる、だからいいんです。
せめてマリみて放置だけはやめてくださいよー(泣)
一見様お断りかな
★★★☆☆
姉弟版たる「マリみて」から入って、購入しました。マリみての購買層考えると花寺版マリみてってどんな方向へ!?というドキワク感いっぱい。
で、スール制かよと思うような制度やらカリスマ性有りすぎの生徒会長やら…一言で言うと本当に花寺版マリみて。でもアンドレの生徒会長への思いはもはやギャグなので(なんか脳内で高橋留美子で漫画化してた)同性愛的な風味はマリみてより薄いです。
続編に向けての伏線ぽいのあったし作者やる気だし、マリみてを知る人なら楽しめるんじゃないかと。あの頃裏でこんなことが!という楽しみ方もできるし。
マリみての鈍行ぶり(瞳子の件延ばしすぎ等)で辟易してるので、「釈迦みて」からの、あの頃こんな事が!目線でマリみてを楽しんでいくのもアリだと思います。なのでマリみて止まっても続編オケーです。柏木について色々わかってきそうだし。
この作品だけで楽しめるかは微妙。あと挿絵が3枚て少なすぎ、人物紹介の祐麒も祐巳も柏木もマリみての挿絵からの引用なのが切な過ぎる。