TDLの良さを語るというより…
★★☆☆☆
何冊かTDL(TDR)についての書籍を読んだ上での感想を正直に言わせて頂きますと、
『TDLの良さ』よりも『日本の遊園地の悪さ』ばかりが伝わってきました。
肝心の、TDLの良さについてはそれほど深い考察があるとは思えず、具体的な事象に
ついて、思い付きで書いているような感じで、それと対比する形で日本の悪さを
「これでもか」
とあげつらっており、う〜ん、これが「ディズニー精神」なのか?とちょっと残念。
また、内容も体系立っているとは思えず、多くの人が語っているTDL精神について、
これまた思い付きのような感じで書いていて、各論の連続という印象。
TDLの立ち上げから携わった喜びを伝えたいという気持ちと、TDLの良さを伝えたい
という気持ちが、中途半端に文章にされている感じですね。
もし、TDL創設に携わった人間ドラマを読みたければ、
「TDLを作った男達」
野口 恒 著
ぶんか社文庫
の方が、胸躍る臨場感、手に汗握る熱いドラマを楽しめますので、
断然オススメです。なるほどこの壮大なドラマあってこその、このパークかと納得。
また、TDLのより具体的なノウハウを知りたければ、
「ディズニーランド流心理学―「人とお金が集まる」からくり 」
山田 真 著
知的生きかた文庫
の方がより分かりやすく、とても読みやすいと思いました。
元キャストが語る成功の手順
★★★☆☆
著者は本家アメリカの元キャストで、日本へ渡り主にレストラン関係のお仕事に携わっていたので
アメリカ的な考え方でソフト面、ハード面からサービスについて語られ、本書に出てくるたとえ話にはレストランの話が良く出てきます。
本の最後に
"既に公開されている話のみを取り扱い、まだ公表されていない内部事情については触れていない"
と書かれている通り、他のディズニー成功秘話のビジネス本などで以前読んだような話も多々あります。
それ以外にも、筆者が「おかしいな?」と思っている
日本でよく見られるサービスの点についてもいくつか書いており
「なるほど。たしかに。」と思うところは多いです。
ビジネス書としては読みやすいのでサービス業経営者には読んで頂きたい1冊。
著者の説得力ではディズニー本でトップ
★★★★★
ディズニーランドのサービスをテーマにした本はいくつもあるが、著者の説得力ではこの本がトップと言える。なにしろこの本の著者は、アメリカのディズニーワールドを経て、東京ディズニーランドの立ち上げから関わってきた社員だけに、本当に現場を知りぬいている。時間のない方は、この本だけ読んでおけばまず間違いないだろう。納得の5つ星。
実践のマネージメントさんにいいのでは?
★★★★☆
現場の経験を元にしているので、学者の分析的な話よりも参考になりました。
目に見えないもの
★★★★☆
最近はマーケティング関連書籍でも、「目に見えないサービスが重要」だとか「顧客に感動を
与えるサービスを」などと言うのが流行りになっていますが、じゃあ一体その目に見えないもの、
本当に大切なものは何なんだ?という疑問にぶち当たった時、ディズニー関連の書籍を読むのが
一番妥当ではないかと思います。
特に、値下げ競争は体力消耗戦になったり、最終的には規模の大きい企業が勝つ事になるので
良くない、と思いがちですが、本書に書かれてある「値下げのトリック」の箇所を読むと、何故
価格競争が自分の首を絞める事になるのか、論理的に説明されてあるので良く理解出来ます。
ただ、全体を通して読了してみて感じた事ですが、自分の隣にいる人に親切に出来ない、他人
に対する思いやりを持てない、自分の事ばかり考えている方などは、たぶん読んでも時間の無駄
なのではないかと思います。
人の心を持てない人間は、どんなに勤勉に学習や読書に励んでも結局はものにならないのだと、
マーケティング関連書と本書から学びました。