魔笛の2番目には持っていたい
★★★★★
歌手陣を見れば判りますが、脇役に至るまで錚錚たるメンバーが並んでいます。こんな豪華なメンバーを、現在で同様な企画でそろえるのは無理でしょう。
世界で一番歌うのが難しいと言われる夜の女王の「復讐の心は地獄のように燃え」などポップは、その実力のほどを見せつけてくれます。シュワルツコップは最盛期でしょう。
歌詞対訳が無いので初心者が初めて買うには適さないかもしれません。多分歌詞の意味が分からなくても楽しめるとは思いますが、歌劇ですので歌詞が判ればより楽しめます。
ともかくこの豪華なメンバーによる魔笛ですので、期待を裏切らない名盤と言えます。
ヤノヴィッツ(パミーナ)とルチア・ポップ(夜の女王)、ふたりの歌が実に魅力的でした
★★★★☆
指揮者クレンペラーの考えにより、劇の台詞がすべてカットされています。従って、序曲から始まって、アリア、アンサンブル、合唱によって構成され、進んでいく演奏。また、本CDに歌詞対訳は付いていません。おおよそのあらすじが解説書に記されているだけなので、このオペラを初めて聴く方には、まず、ショルティ指揮ウィーン・フィル(1969年録音)の台詞の入った演奏をおすすめします。ショルティ盤は、録音もやわらかくて聴き心地満点ですし、ヘルマン・プライのパパゲーノや、ゲルハルト・シュトルツェのモノスタトスといった男声歌手陣の生き生きとした歌いぶりが、とても魅力的だからです。
で、こちら、1964年3月〜4月録音の2枚組CD。男声歌手陣がぱっとしないのに比べて(なかでも、ゴットロープ・フリックのザラストロ。全く冴えなかったなあ)、女声歌手陣が非常に見事な歌を聴かせています。ルチア・ポップの夜の女王が聴きたくて購入したのですが、24歳という若さだった彼女の声と歌は確かに素敵でした。チャーミングで初々しく、華を感じる夜の女王のアリア。でも、それ以上に見事な歌を聴かせていたのが、録音当時26歳のグンドラ・ヤノヴィッツでした。鈴を振るわせるように透き通って軽やかな声といい、やわらかな歌い回しといい、とびっきり魅力的なパミーナでした。そのほか、「魔笛」を吹いているフルート奏者の演奏、ルート=マルグレート・ピュッツのパパゲーナ、エリザベート・シュワルツコップの第一の侍女、アグネス・ギーベルの第一の少年(この三人は、いずれもソプラノ歌手)の歌が印象に残りました。
弾力のある演奏に夢見心地
★★★★★
クレンペラー独特の音符運びが堪らない。音に厚みがあり、オペラ全体を包み込むように曲を乗せる。
これだけ芳醇な魔笛は他にないのではないか、という感覚すら覚える。
演奏だけで心地よいのに、それに加えてアリアはルチア・ポップ。
1964年と言えば彼女はまだデビューしてホヤホヤと言ったところだが、余りにも完成されたアリアに感動。
夜の女王は娘(パミーナ)を奪われ、そしてザラストロを憎む母親という役ながら、ポップの持つ声の暖かさがその役どころを何も阻害していないのが凄い。
もちろんポップ以外のキャスティングも豪華。このクオリティで映像まであったらどんなに素晴らしいだろうか。
尚、このCDはセリフの部分が無いので、ドライブしながら聴いたりするのにも向いているかも知れない。
『クレンペラー』のキーワードでこの商品が検索にヒットしないのは大問題だと思う。
こんな名演を知らずに魔笛を通り過ぎる人がたくさんいるかと思うと心が痛みます。
歴史に残る名演
★★★★★
タミーノのゲッタ,パミーナのヤノヴィッツ,夜の女王のポップ,ザラストロのフリックをはじめ,弁者や侍女にいたるまで,クラス,シュヴァルツコプフ,ルードヴィヒを使うなど,キャスティングが徹底している。
1964年の録音ということであれば,ヤノヴィッツ26歳,ポップにいたっては24歳である。
年齢を感じさせない驚くばかりの名演である。
合唱が・・・
★★★★☆
歌手はすごいです。おもな配役はタミーナ/ゲッダ、パミーナ/ヤノヴィッツ、パパゲーノ/ベリー、夜の女王/ポップ、ザラストロ/フリック、侍女1/シュワルツコップ。指揮/クレンペラー、フィルハーモニア。僕の耳のせいかもしれないが、合唱の音が濁っているというか、割れてるというか・・・録音技術の問題かもしれない。とにかく聴いて損はないでしょう。特にポップはまだ24才、ヤノヴィッツは26才という若さ!美しいです。