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生命燃ゆ (徳間文庫)

価格: ¥800
カテゴリ: 文庫
ブランド: 徳間書店
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高杉作品の最高傑作 ★★★★★
 金融業界で生きてきたから、金融界を描いた高杉作品は相当読んでいるが、多くの作品が有力な情報源からの聞き語りに過ぎないように思われていた。本作は、私が主力銀行の担当者として昭和電工・鶴崎コンビナートを調査したこと、「西本康之」のモデルである岸本泰延さん等から直接にお話を聞く機会があったことを思い出して、大変に感慨深かった。
 主人公の「俺は、どんなことでも、つねに全力でやってきた。だから、未練はあるが、悔いは無い」という言葉は肝に銘じておくことにしたい。
限られた時間を生ききった技術者 ★★★★★
昭栄化学工業が大分県に巨大科学コンビナートを建設
システム化課長補佐、柿崎さんは、コンピュータ管理により
世界最大、無公害、安全第一とすべく渾身の力を込め仕事に
没頭する。その矢先、病魔が彼を襲う。
限られた時間を生き抜いた主人公。「未練はあるが悔いはない。」
さまざまな脇筋が盛り込まれ、一気に読み終えました。
昭和40年代、日本全体が意欲的で活気あった時代の実話です。
仕事に疲れたとき、会社が嫌になったとき⇒名作中の名作 ★★★★★
プラントやコンビナート、各種コンピューターの説明は文科系出身の私には分かりづらかったが、筆者が伝えたかったことはそんなことではないはず。大なり小なりのグループが一丸となって一つの目標に突き進んでゆく喜怒哀楽の果ての達成感。そして、組織の中で大きな仕事を成し得るには、周辺環境を説得させるのはもちろんのこと、社内コンセンサスを図るのが第一義という重要性。これに気付かせてくれるだけでも読む価値は大である。

柿崎本人の仕事に取り組む姿勢よりもむしろ、彼を支える妻や同僚、先輩らの獅子奮迅ぶりの方が感動を呼びおこす。

『未練はあるが悔いはない』と死ねたら人生最高だ。
人生を生ききる ★★★★★
「俺は、どんな、ことでも、つねに全力で、やって、きた。だから、未練はあるが、悔いはない。」

本作品の主人公、柿崎仁が死の床で家族に伝えた言葉。

柿崎は人生のどの瞬間でも精一杯生きた。視力を失っても勉学に励み、そして白血病という病魔との壮絶な死闘に最後の力を振り絞った。

なんという男だろう。彼は人生を生ききったのだ。

本気で生きるとはどういうことか、それを教えてくれる名作である。
古いタイプのサラリーマンロマン ★★★☆☆
私は30代で、既に「リストラ」なんて言葉が定着してからサラリーマンに
なったものですから仕事にロマンを感じることなんて皆無なんです。
今日より明日どうステータスを上げていくか、それだけを考えてきました。
しかし「それでいいのか?。」ちょっとだけ思います。
この作品を読んで「古きよき時代」とか「仕事にロマンなんてあるもんか

い」など反発も覚えました。しかしなぜか心に残りました。
この作品に描かれるサラリーマンの次代を担う現役サラリーマンは仕事に
何を求める?。
そんなひとつの資料を提供してくれていると私は解釈します。