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バチカン―ローマ法王庁は、いま (岩波新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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簡便なバチカンガイド ★★★★★
ヨハネパウロ二世死去に伴う法王交代前後の出来事を中心にバチカン事情をまとめた本。キリスト教に詳しくない読者にとっては、ほどほどに詳しく読みやすいバチカンガイドだと思う。イタリア語のできる新聞記者は珍しいのではないか。堅苦しい知識をわかりやすくまとめた技量もさることながら、著者の描き出す「バチカン人」の表情は生き生きとして好感が持てる。
ヨハネ・パウロ二世からベネディクト16世へ ★★★☆☆
 著者は朝日新聞のローマ支局長を務めた人物。在任中にローマ教皇の交代があり、それをきっかけとしてローマ教皇庁、カトリック教会について書かれたのが本書。
 最初は新教皇を選ぶコンクラーベについて。つづいて教皇庁の歴史と現在、ヨハネ・パウロ二世、ベネディクト16世、イタリアにおけるローマ教皇庁の影響力と話が進んでいく。話としてはいささかまとまりに欠けるが、色々な側面から教皇、教皇庁について知ることが出来て有用な本であった。
 個人的な興味からいえば、イタリアの人々がいまだに教皇庁を敬い、その影響力は計り知れないという点が面白かった。長所短所ともにあると思うが、さすが、イタリアだ。
 著者が新聞記者ということで、現代社会、それも政治的な側面における教皇の権威について書かれた部分が多い。しかし、大げさというか、書きすぎのようにも感じられた。
入門書としては良いです。 ★★★★☆
遠くてなじみの無い国、バチカン。
カトリックの国ということだけは知っていましたが、
その歴史、独自性、イタリアとの関係、また、法皇
成り立ち、前、及び現法皇について上手くまとめて
ありました。

入門書として読みやすく、勉強になりました。
入門本としてなら ★★★★☆
自分も含めて、日本人にはとんと縁の無いバチカンルポ。
内容としては、先代から現法王にいたるバチカンの歩みを中心に、簡単に歴史経緯にも
触れられている。
読みやすい分、ある程度知識を持つ人にとっては、けして中身が濃いわけではない。
まああれだな、某映画を見て「キリストの子孫が(略)」とか言っちゃってる人向けの
教養本と言うことで、ちょっと甘めに座布団4枚。

岩波らしくない時流にのった本。
世界最小で世界最大級の影響力を持つ国 ★★★★★
宗教と政治の狭間で揺れるバチカンの今がわかる一冊。日本人にはいまいちピンとこないカトリックの世界が一望でき、ベストセラー小説「ダヴィンチ・コード」の予習本としても最適。

バチカンといえば世界最小の国家として有名だが、多くの日本人にとっては本当にそれだけの認識だろう。だが、世界の多くの人々にとっては、たとえその視線が好意的であろうと敵対的であろうと、単に小さいだけの国ではないことを本書は教えてくれる。

21世紀に入ってからまもなく、バチカンが大きな転機を迎えたことは記憶に新しい。

ヨハネ・パウロ2世の死。

もちろん本書もこのことに関して言及している。それどころか、新書という限られたスペースのなかで、亡くなった前法王ヨハネ・パウロ2世について、著者はかなりのページを割いている。おそらく前法王の死が、普段宗教に関心のない日本人がキリスト教に興味を示すきっかけとなった出来事だったからだろう。また、学生時代から前法王の人となりを知る著者の思い入れの強さゆえだろう。

そういうわけで僕は、本書を通してヨハネ・パウロ2世というポーランド人聖職者の人物像をリアルに想像することができた。そして宗教云々を抜きにして、僕は人間としての彼の生き方に惹かれた。

自分を暗殺しようとしたトルコ人アリ・アジャを心から許し、二人だけで語り合ったというエピソードや、1981年の広島訪問で日本語を含む9カ国語による「広島アピール」を行ったことなどが、特に彼の人柄を象徴しているように思う。彼が多くのカトリック信者に愛されたのもよくわかる。

一方、現法王ベネディクト16世が、ヨハネ・パウロ2世のようなカリスマ性を発揮し、信者に篤く支持される法王になれるのか、今はまだわからない。そもそもその母体たるバチカンが、これからどこへ向かうのかさえわからないのだから。聖職者や一般信者の教会離れ、ジェンダー問題、不妊治療の扱いなど、教会側が世俗に歩み寄って解決していかなければならない問題は山積み。リベラルで現代的な信者を無視し、いつまでも保守的な態度を取るわけにはいかない。

信じることで成り立つのが宗教。信者の信用を失えば、それはその宗教そのものの衰退を意味する。それが歴史ある巨大な宗教だとしてもだ。

ひとつの宗教が未来永劫、普遍に続くことはない。宗教は、信者に一定の教義を示しつつも、時代の流れを敏感に感じ取り、多様性を認め、臨機応変に変わっていかなければならないものなのだ。そしてそれは、価値観が多彩に広がり続ける現代において、なおさら強く言えることなのではないだろうか。