普段、子供のことをあまりよく注意して見ていない大人も、ひとたび風邪だと分かれば、愛情深く接するもの。リサの両親もそんな親です。
Hallensleben さんの画力は本物です。扉絵から冒頭のパリの風景などは見事です。夜中に熱でリサだけ眠れないシーンなど、青く寝静まった部屋の中でリサの周りだけ真っ赤に描かれていて、静寂感と風邪の熱のつらさが、対比されながら色で表現されています。こうした絵画上の技法が、あちこちのページで見られます。かわいいだけではない、挿絵の質は本物です。