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命日 短篇セレクション 幻想篇 (短篇セレクション) (集英社文庫)

価格: ¥460
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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小池ワールド満開 ★★★★★
長編の得手な作家でも、短編を書かせるとまったく不得手、という作家は多いが、小池真理子に関しては、どちらでも安心して読んでいられる。「恋」で新境地を開拓した感があるが、この作品では小池ワールド満開、と言うべきだろう。
親、あるいは友人、恋人の命日に不思議な邂逅を果たす人々を主人公とした短編集である。小品ではあるが、どれも秀逸な短編に仕上がっている。元祖小池ワールドに浸りたい方には、強くお奨めの一冊だ。
ドラマ化したら面白そうな作品集です。 ★★★☆☆
タイトルからして怖そうです。「命日」「家鳴り」「流山寺」「水無月の墓」「ミミ」以上5篇。

切なくて怖い作品が並んでるので根っからの小池さんのファンや幽霊話や怪異のお好きな方には恰好の作品だと思う。
私的には、若干ホラー作品に対する苦手意識がある為に少し読みづらかったかな。

どの作品も死者が近くに現れますので、読まれる方の感性によって捉え方が違ってくるなあと思います。
どこからどこまでが現実で、どこからどこまでが幻想かが気にせずに読める方には心地よいかもしれません。
私の1番のお気に入りは「ミミ」です。ミミちゃんが可愛くて切ない話です。

それにしても小池さんの美しい文章は本作のような作品によって最も際立って見えるようにも思いますね。
さりげなく書!いてて怖い“怪談短篇集”と言えそうです。
真夜中に読んだらもっと面白かったかもね(笑)

小池真理子の最高の短編を含む ★★★★★
この短編集の中の「ミミ」。とにかく読んでみてください。こわくて、かわいそうで、かわいくて。ミミという、こよなくピアノとピアノ教師を愛する少女の霊の切ない話です。ミミが主人公に話し掛ける声は「瓶の中で話したようなくぐもった声」、主人公の膝を求めるミミの髪の毛のにおいは「海藻のようなにおい」そしてミミは、時としてぽっかりと目を空洞にさせた姿で主人公のもとに現れてしまう。愛らしいミミ、でも、それはあの世のもの、この世にあってはいけないもの・・・。「生と死」について、だれもが立ちすくんでしまうであろう主人公の二律背反した気持ちが鮮やかです。これ1篇でも買う価値あり。ほかの短編も質がそろっています。