ここだけを見ると、名作とまでは行かなくとも、良作に成り得る作品であった。
だが蓋を開けてみれば、男性がこうであったらいいなあと思う自己満足と妄想の世界しか描かれていない。
主人公は優柔不断で嫉妬心がやたら強く、全く共感できない。
無意味なお色気シーンがやたら多く、ストーリー上それほど重要でもない女の子キャラが次々と登場し、逆に話をややこしくしている。
個人的には主人公の真中よりも、西野つかさに魅力を感じる。
第2巻の17話で
「好きな人のために自分の人生合わせて生きてくのってつまんなくない?
あたしだって好きなことしたいしチャンスはものにしたい。
そーゆーの、お互いにわかり合えたらいいなーなんて思ったりして」
という台詞を筆頭に、西野の精神的な部分、葛藤するシーンを経てレベルアップしていく様が非常に魅力を感じました。
それにひきかえ、これほど主人公が成長しない漫画は始めてみました。
作者さんは最終的にはハーレムのようなエンディングにでもするつもりなのでしょうか?
完璧にバッサリと主人公と縁が切れた女性キャラは今のところ1人もいない。
これほど大きく大風呂敷を広げてしまい、1人に絞るのだとしたら、そこまでに至る過程が非常に見物だ。