琉球・沖縄史の分析を通じて、東アジア・東南アジア史の驚くべき実態が次々に明らかにされる
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琉球は1466年にはヤマトの勢力圏内にあった鬼界島まで軍事侵攻して征服p.199。「「海域世界」という考えでとらえれば、・・東京から福岡まあたりまでのp.11広さに匹敵p.12」した「巨大な海洋国家だったp.12」。江戸時代も薩摩藩の奴隷ではなく、中国と日本に二重に朝貢する国家でありp.24、琉球王国の滅亡は1879年の明治政府による廃琉置県によるp.29。中国は国王に与える冠服によって、日本・朝鮮・琉球といったアジア各国をランク付けをしていたP.47。「江戸時代の日本は、天皇・将軍を中心に朝鮮・琉球・アイヌ・オランダを従属した存在とみなして、中国とは別個の日本版「小中華」の国際秩序を(なかば観念的に)つくりあげてp.23〜24」いた。江戸時代、日本に貿易にくるオランダ船は「味方以外の船に海賊行為を行うことも仕事だったp.70」ので、琉球船は襲われないようにオランダの旗を掲げていた。琉球王家の「宝物は米軍に戦利品として略奪され・・王冠は今でもアメリカのどこかでひっそりと眠っているはずp.189」沖縄の歴史を通して、日本・アジアの歴史の驚くほど大きなダイナミズムを知ることができる。