新聞記事、公文書からイベント分析を行う手法は客観的だと思います。

しかし、どの媒体を以ってデータを抽出したのか記述がなかったので、捕らえ方によっては恣意的にデータを集約していると捕らえられるのでは？（新聞記事…大手新聞社のみの抽出なのか地方紙は含んでいるのか？公文書についても同じ）

ちょっと引用が多い気がする著書ですが、せめてイベント分析にはこのネット全盛の時代ですからC/C++、VBA、PHPなどで抽出したデータは記事全文ではなくても公開するべきだと思います。

あと気になったのは、著書には関係ないのですが著者名でグーグル検索するとトップに学生運動をしているという主旨のブログ（http://08bunren.blog25.fc2.com/blog-entry-331.html）がヒットし、まるで著者が学生運動を先導して弾圧しているような書き方をされています。真偽は分かりませんが、偽であるならば早々に法的手段も考慮し対処するべきだと思います。真であるならば学者として立ち位置を再考することを望みます。

具体例が豊富で、実践的な現場感覚が伝わってくる本です。
ただし、過去の著者の論文からの引用が多く、新しいことは
書かれているのですが、新鮮味にやや欠けます。
また、レイアウトの問題や難解な用語を多用するため、
専門的に学んだ人以外には読みにくい難点が挙げらます。

とはいえ、著者の社会への強い思いが詰まった本ですので
本気で社会学や市民運動を学びたい人にはおすすめです。