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パウラ、水泡(みなわ)なすもろき命

価格: ¥2,520
カテゴリ: 単行本
ブランド: 国書刊行会
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感動します。 ★★★★★
一人の作家として、自分の今までの人生を描くとともに、母親として昏睡状態に陥っている娘を見守り、またその娘の姿に苦しむ作者の気持ちが痛いほど伝わってくる作品だと思います。
歴史は死であふれているから、生きる、愛する ★★★★★
ちょっとクレイジーなイサベル、夢と現実が入り混じるイサベル、そんな印象をもっている人も多いと思う。でもこの作品は彼女と娘のパウラの自伝=伝記で、母娘が生きた愛は、たしかに現実だった。答えなくなったパウラ、永遠のどこかに去ったパウラの不在が、それがいかに現実だったかを証言する。著者が「これまでの作品はすべてリハーサルにすぎなかった」と述べるのも、うなずける。強烈にリアルな、とりかえしのつかない喪失感。病床の娘をきっかり一年間見つめ、その死を見つめる。その一方で、自分自身の波乱万丈の半生が、きちんとふりかえられる。特に1973年、チリのクーデタをめぐる描写は圧巻だ。おりしもオムニバス映画『セプテンバー11』で、イギリスのケン・ローチが、このアジェンデ政権崩壊の「9月11日」をとりあげていた。合わせて見ると、とことん考えさせられる何かが見つかるんじゃないかな。