パワーが必要
★★★★★
イサベル・アジェンデのエネルギーは本当にすごい。
高貴な婦女から娼婦まで、香水から糞尿まで、ストーリーの仲にてんこ盛りに表現されていく。はい上がった娼婦の中の富貴を、無学な農民の英知を、革命という名の下の腐敗を、もうたくさん!ごちそうさま!と、わんこそばの椀に急いで蓋をしたくなる感じで描かれていく。
誰もが実はその混沌の仲でもがいているだけ… 3世代の女たちの数奇な運命が混沌の大河を流れていく。面白いけど読むのに体力が必要。元気な時の読書がおすすめ。
歴史は巡る
★★★★☆
この小説の魅力は最後の2行に集約されている、と思う。
もちろん母子3代に渡る長大なストーリーも飽きずに読み切れるし、
語り口だけ軽妙で内容がカラッポという訳でもない。
しかし、それでもこの絶妙なラストは、全てを凌駕する感動と余韻を
与えてくれる。
長い小説ですがのめりこめます。
★★★★★
精霊たちの家は、小説としてももちろん楽しめますが、その背景にチリの軍事政権や、男尊女卑などの歴史も描かれているので、チリの歴史についても勉強になる本だと思います。