すごくいい
★★★★★
ピューリッツァー賞を受賞したという短編集です。すごくよかった!
たくさん短編が入っていて、主人公も老若男女さまざまなのですが、どれにも共通しているのは、ごく普通にいそうな人だということ。その心のなかで芽生える感情や、ゆれうごく感情を、冷静なような寄り添うような眼差しで描いています。
どの短編にも共通しているのが、題名にある「オリーヴ・キタリッジ」という人物が登場することです。オリーヴが主人公になっている短編もいくつかあります。このオリーヴがすごくいい性格です。もう人間というものの理不尽さそのまんまみたいな困った人なんですが、それでいてすごく優しくて、繊細なんです。身近にいそう。
どの短編もいいですが、二番目に入っている「上げ潮」がすごく!いいです。ぐっときます。心底お勧めです。