利用者のことを考えて作りこまれている。問題文が外に出せるよう一ページ大きく折りこまれいて解説を見ながら本文も参照できるなど使いやすい。布張りの装丁もうつくしい。
丁寧な話言葉で書かれる解説は読みやすいうえに、文章を正確に読む姿勢を養わせてくれる。最近の受験英語のせい(?)で、語学には深い解釈は無用というイメージを持つ人が多いと思うが、それでは早い段階から壁を乗り越えることが出来ないだろう。なにはともあれ、こころづくしを全体から感じる本だった。

「７〜８行程度の仏文を読み、それを自分の力で訳してみてから、長い解説を読む」これがこの本の使い方です。ここまで丁寧な解説があるフランス語解釈のテキストはほかにないと思います。誤訳例なども多く載っているので、自分の答案と照らし合わせると効果的です。ただし、自分で訳して、実際に日本語の文章にするというプロセスが前提のテキストですので、それが面倒だなと感じられる方、あるいはフランス語の速読を目的にしている方には向かないと思います。