NHKの同名番組をもとにした本らしい。番組のほうはあまり見たことがないが、こうして日本の何気ない事柄が外国人にCoolと捉えられるんだなあと、再認識できるのは面白いと思う。

ただし、それぞれの項目が見開き２ページで短くまとめられすぎており、物足りない感が否めない。ページ下部に書かれた「外国人の声」のようなものも、本当に一言意見に終始しており、彼らの国ではどうなのかなど、もう少し情報が欲しい。多くのトピックスを無理に詰め込むよりも、その中からいくつか選んで、より深くディスカッションした様子を掲載した方が、その事象の肯定的・否定的な部分も見え、読者も外国の状況と比較でき、面白かったのではないか。

見開き２ページは、移動中や空き時間に読むには適量。雑学の仕入れ先としては、良いのかもしれない。電車での移動中に「駅の発車チャイムはクール！」を読んでいて、なるほどなあと妙に納得してしまった。

　本書はNHKで放送されている同名の番組の内容をまとめたもので、
おそらく放送期間にして一年分程あると思われる。

　TV番組では参加している外国人の意見が聞けるのだが、その部分はほとんど掲載
されておらず、番組で紹介された日本文化や製品などを淡々と紹介していくという構成に
なっている。

　しかし「COOLJAPAN」と言う番組のキモは、日本では普通だとかありふれたものが
外国人には珍しいとか、カッコいいと思われているという意外性なのであって、そこで
紹介されている製品やサービス自体は、一般の日本人にとってはワザワザ解説や説明を
してもらう必要の無いようなものばかりである。

　にもかかわらず、なぜ外国人の意見をほとんど掲載せずに、一般の日本人には今更
してもらう必要の無いようなサービスや製品の説明を延々と繰り返すという構成にしたのか
はなはだ疑問である。

NHKの番組「COOL JAPAN〜発掘！かっこいいニッポン〜」を基にしているが、この本の内容は大分、番組とはおもむきが異なる。

クール（かっこいい）と思われる、９０ほどの項目を選び、見開き２頁で、右頁に題目とイラスト、左頁に７００字程度の説明の文章、そしてその下に「外国人からの一言！」として、４人程度の、本当に一言だけが紹介されている。

説明の文章は雑学的で、掘り下げや分析がいまいち。外国人がもっとどう考えているのか知りたかったのだが、２７０字程度の「外国人からの一言」では、情報不足で物足りない。

その他には、章の終わりごとに５頁程度をさいて、テーマを決めてトークセッションと称する対話を載せているが中途半端。

この本を読んで何が得られるかというと、日本文化の雑学的知識だけだろう。暇つぶしにはいいかもしれない。

また「外国人からの一言」では公平をきすつもりだったのか、批判的な意見が半分くらい載せられていて、がっかりする。偏向を感じる。COOL JAPANなのだから、なぜCOOLと思われているかを知りたかったのに。

２６０頁ほどでちょっと厚めの本だけれども内容は薄いです。読んでも得られるものがあまり、ありません。興味のある方は買う前に、書店で中身をパラパラめくって見ることをお勧めします。