こういうのが好きです
★★★★★
地図好き、レトロ好きの私はこの手の本を素通りすることはできません。
約50年前の東京の姿を現在の地図と見比べながら頭に描いていく作業はなかなか楽しいものです。30年代のロングセラー商品や映画のポスター、当時のテレビ番組表なども見ることができます。面白いです。
昔の地図のほうがどう見ても楽しい
★★★★☆
昭和30年代生まれには楽しい本だ。これは良くも悪くもレトロ商品である。はっきり言って、昭和34年の地図と現在の地図と左右に並べただけなんだけど、それが面白い。もちろん、この昭和34年→現在の変化を肯定的に捉える訳では全然ないんだけど。やっぱ、今の町の名前の味気なさよ。昔は町名は固有のものだったけど、今はいくつかの町名をひと括りにして1丁目〜○丁目って数字で分けていてさ。行政って「場所の名前」ってものを、ものすごく軽視しているか、逆に重要視しているんだろうな。いずれにしても「個人の記憶」よりは「国家の管理」が先に立つってことだ。
さっき、新旧の地図を並べただけって書いたけど、実際はおかずも充実している。新旧の写真ね。これは記憶を補完してくれる。昭和30年代の年表や路線図、テレビ番組表も懐かしい。新旧地図の見開きのあとに、地図に対応したエリアの新旧の航空写真が入ってたりしたら、もう完璧だ。
しかし、昭和34年の地図と現在の地図、精度はグーンとアップしているんだけど、昔の地図のほうがどう見ても楽しいんだよね。さっきの町の名前のバラエティの差がいっとう大きいんだけど、測量、縮尺の精度が低くてデフォルメされてる分、見ている側の想像が入り込むスキ間があるっていうか、自らのイメージで補完していく楽しみがあるんだよね(もちろん今の地図のほうが実用的ではある)。
まあ、でもこの手の本って暇つぶしには持ってこい。「さあ読むぞ!」って気構えも、そのために用意された時間もいらない。どのページからめくってもいいし、いつ放ったらかしてもいいし、繰り返し読んだり丹念に読むことも出来るっていう。まあ知らない時代、土地をいちからイメージするのも楽しいだろうけど、少しはその時代や場所を知ってたほうがより楽しめるんだろうけど。
写真集+地図の変則的スタイル
★★★★☆
巷には、昭和30〜40年代の街角を撮影した写真集が色々と出版されてきていますが、本書はそれら写真集に加えて当時と現在の地図も収録されているのが、一番の特色だと思います。ご存知の通り、東京山手線区域内では、現在の地下鉄と入れ替わる格好で昭和30〜40年代都電が、縦横無尽に網の目の如く張り巡らされており、当然写真でも端端に彼らを見つける事ができるのですが、本書で地図を見ると路線図にて彼らの存在感を感じずにはいられないでしょう。巻末には、当時の国電、私電路線図と共に、路面電車の路線図もあり、やはり現在の都バスとは別格の存在感があります。またおまけで当時のテレビ欄1週間分も掲載されています。
その他、本書の特徴として銀座、六本木、千住、錦糸町・・街毎に掲載されているのも特色で、例えば三越前の高級感やコマ劇前の夜のネオン等今に通じる街の特色ある発展を、当時から垣間見る事ができます。特に新宿、池袋辺りの都会は、写真も見ごたえがあります。その他エリア毎の編集なので、過去に自分が住んでいた街を見比べる楽しみもあります。十何年も住んでいる場所なのに、過去に米軍専用の線路がこんなところにあったんだ?などという「個人的スーパートリビア」もありました。
当時は既にカラーテレビも普及され始めた頃ですから、できればカラー写真で見たかったです。敢えてモノクロで味を出す手法もありでしょうが、カラー写真集での出版が殆ど見当たらないのが現状ですね。
この価格は、ボリューム面から見ても良心的と言えるでしょう。
なかなかいい出来ですよ
★★★★★
企画そのものはどこかで見たような気もしましたが、いざ本を開いてみると、類書よりも昭和30年代の世相や写真などを丹念に拾っていて、地図ともども、時代をよくとらえた編集に好感が持てます。また町ごとに添えられたエッセイも、当時と今の両方をよく知る人が書いたと一目で分かるもので、安心して読めました。こういう本なら、何冊でも買いたいですよね。