実は別の本と間違えて買ったのですが、せっかくなので読んでみた処、標題のとおりでした。
　基本的には「中村吉右衛門とＴＶの吉右衛門版鬼平大好き」な著者が個人的な嗜好による評価を纏めた文章に過ぎず、内容に客観性はほぼありません。 無論そういう文章を書くのは自由ですが、同人誌ならともかく商業ベースに乗せて販売する様な代物ではないでしょう。
　また、文章中に別の時代劇を引き合いにして「吉右衛門版鬼平」を持ち上げている部分があり、そういう態度自体どうかと思いますが、文章の内容から判断するとこの本を書くに当たって引き合いにした時代劇を再見しておらず、伝聞か古い記憶に頼って書いているのは概ね明らかで、そうした点でも問題外です。

　

鬼平犯科帳のファンが、テレビドラマ「鬼平犯科帳」について
意見を書いたもの。池波正太郎氏や、実在の長谷川平蔵のことも少し
書かれている。真髄と題名には書かれているが、
題名は適当ではなく「ドラマ鬼平犯科帳について」とでもした方が良かった。
ドラマの見方は浅く（スタッフのことは殆ど書かれない）

役者の評にしても著者の好悪が極端で、嫌いな役者についてはボロカスに罵り倒し、大好きな中村吉右衛門に関しては神様のように書いている。
言い過ぎだとしか思えない。