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能楽への招待 (岩波新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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内面とはなにか? ★★★☆☆
 筆者が、禅語録をメタファーと把握している点に疑問を感じる。メタファーであれば、それなりの意味が読み取れるはずであるが、それでは禅にはならない。新羅夜半(夜半の太陽)とは、メタファーではなくそう表現せざるを得ない問いであり、意味を問いかけているのではないのだ。(P154)「風姿花伝」はメタファーによる言説であることから、禅の公案もそうであろうと断ずるのでは、筆者の理解も野孤レベルにとどまるだろう。内面に踏み込む勇気には、喝采を送りたいが、その危険性も承知すべきである。
 
能の本質論に関しての入門書 ★★★★☆
 「能楽への招待」というぐらいですから入門書です。しかし良くあるストーリーや見どころを解説したような本ではありません。観世流シテ方梅若家の一員としての実際の舞台上での演技、または練習を通して考え込まれた能の本質論に関しての入門書です。

 例えば『翁』に関して。舞台上で面をつけた翁は舞に入るところで、梅若家に伝わる型附(振付を記した本)にはこう書かれているそうです。
「体ハソル心、両眼ヲフサグ」

 実際に体を反らせるわけではなくて体を反らせる「気持ち」なって、そして面の中に隠された外からは見えない目を閉じる。演技的に何らかの意味があるのか不思議に思います。しかしその内面の動きを体現することこそ観客に何かを伝えるきっかけになる。そう、この書は説きます。

 能舞台や装束、面、役柄、歴史といった基礎知識に関しての記述ももちろんあります。しかしそれ以上に能の演技とは、能の型とは、能の最高の境地とは、とそういったことを解き明かそうとされた名著だと思います。

 …後半になると一読ではちょっと理解しきれなかった部分も多いです。しかし、一応読んでおくことでいつかふと分かる日もあるかもしれない。そう感じました。