本書のバイエンからの逃避行では筆者は単独で行動していますが、「敗走記」(ちくま文庫の『幽霊艦長』に収録)では同僚の鈴木と合流しています。紙数の関係で省略したのでしょうか。この点だけ疑問が残りました(実際のところ単独行動だったようです)。
また本巻のニューブリテン島でのエピソードについては『総員玉砕せよ』の原稿が多数使用されています。『玉砕せよ』のあとがきで筆者は9割が事実と書いていますが、こちらのほうが史実にそくしていますので、あわせて読むとよいと思われます。