東京では焼ビルを占拠したり、魚屋をひらく傍ら武蔵美で学びますが、募金旅行をきっかけに神戸に拠点を移し、水木荘の家主をつとめながら紙芝居を書き始めます。
日本は朝鮮戦争を契機に復興に向かいますが、紙芝居はみるみる衰退。筆者は一念発起し、貸本マンガ家をめざすべく東京へ向かいます。
本巻は全編書き下ろしではなく、発表した原稿を再利用している部分があります。前半部分にところどころ印刷があらいページがあるのは短編「地獄と天国」の原稿を雑誌から復刻して使用しているためです。また後半の236-248ページは「国際ギャング団」の原稿を再利用です(ちくま文庫の『奇人怪人大図鑑』に収録)。点描もほとんどを『娘に語るお父さんの戦記』から再利用しています。