惑星ソラリス [DVD]
価格: ¥6,090
『2001年宇宙の旅』に対するロシアの答えが本作品であり、同様に記憶に残る傑作映画である。ロシアの伝説的映画監督、アンドレイ・タルコフスキーがスタニスラフ・レフの小説『ソラリスの陽のもとに』を映画化し、綿密に練られたSF大作に仕上げている。ストーリーは宇宙飛行士(ドナタス・バニオニス)による惑星への不気味な航海に沿って展開されるが、その惑星では人間の潜在意識が実体化して現われる。あらすじのみを聞くとありきたりの宇宙探検物のような印象を与えるが(『トワイライト・ゾーン』のエピソードを引き延ばしただけのような)、神秘の旅を続けるうちに未知の世界に引き込まれていく。タルコフスキー監督の意図や手法には理解を超える点も多いが、『惑星ソラリス』は、とりわけスローテンポで先が読めない展開により観る人の頭の中にじわじわと入り込んでくる。ラストシーンが訪れるまでに、従来のSF映画をはるかに超越した感動的で奇異な記憶や故郷に対する幻想が描き出される。カルト的要素を十分含んだこの映画は、意欲的なアートシアター系作品であると同時に、狂気を帯びた幻想の旅の記録でもある。(Robert Horton, Amazon.com)