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宇宙人としての生き方―アストロバイオロジーへの招待― (岩波新書)

価格: ¥821
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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宇宙認識のための第1歩 ★★★☆☆
著者の専攻は比較惑星学。"水惑星"理論の提唱者として知られる。また以前NHKで放映された「地球大紀行」の監修者としても御馴染み。本書で言うアストロバイオロジーとはビッグバン以来150億年の時間・空間スケールで地球と文明を考える学問という意味。著者は別の著書で「人間は宇宙を認識するために生まれて来た」と言い切っている。また「宇宙は人間のためにある」とも。そんな著者が現在の地球が置かれている、環境、人口、食料等の深刻な問題を地球システムの問題として捉え、宇宙の中の知的生命体である「宇宙人」としてどう対処するかを述べた書。

本書はNHK講座のテキストに加筆して作られたようで、章構成、及び章の内容は平易である。序盤はともかく、「我々はどこから来たのか-生命の起源と進化」、「我々は宇宙で孤独な存在か-地球外知的生命体の存在」は個人的に興味ある点なので、もっと詳しく突っ込んで欲しかった。また、冒頭で述べた問題に関する回答も抽象的過ぎて物足りなかった。ただし、「共同幻想」という概念を持ち出しているのには吉本隆明氏を思わせ、驚いた。哲学から行っても、科学から行っても「共同幻想論」に辿り付くとは。

本書は元々の出版事情から、全般的に入門者向きの解説書になっている。本書をキッカケに更に深く「宇宙人としての生き方」に興味を持つ読者が増える事を祈りたい。著者の宇宙観・水惑星理論について知りたい方は「地球・宇宙・そして人間」が適している。
他の本で勉強しよう ★☆☆☆☆
著者は東大大学院を卒業して、現在当院の教授をされているとのこと。この本は本来NHK人間講座「宇宙からみる生命と文明」のテキストだったそうだが、実に退屈でつまらない本だった。私も宇宙の話が好きで、古くはアシモフ、カール・セーガンから最近の色んな著者の本をいくつも読んできた。だからこの本に書いてある程度のことは、あらかじめ大体知っている。それを踏まえた上で言うが、何の新発見も感動もない内容だった。しかも悪いことに、この著者の文章構成力がお寒い。しっかり説明すべき部分をさらっとなぞるだけだったり、絶対詳しい説明が必要なはずの専門的な話に何の説明もなかったり、しかも語り口が冗長というか、一般常識で分かるようなことをもったいつけて話したり。こういうのを、ひとりよがりの自己満足と言うんじゃないかな。もう、余計な言葉をこねくり回すのを止めて、要点だけをずばっと言って終わりにして欲しい。著者の側に、一般読者を想う心、人に学問の楽しさや感動を伝える努力が欠落しているとしか思えない。私も、今まで学んできた事が間違ってなかったか、本書を通じて検証したかったのだが、とても読む気にさせてくれなかった。
もっと楽しく、もっと新鮮に、同じことを教えてくれる本は他にもあるはず。
そして、こんな文章を野放しにした、岩波新書の編集担当者にも大きな責任があると思う。
文明のパラドックス ★★★★★
我々は何のために存在しているのかという人類永遠の問いに対して、著者は「我々は宇宙を認識するために存在している。」と述べています。なぜなら我々は文明を発展することなく自然と調和しながら生きていく選択をしていれば、何もわざわざ「人間圏」を創造し自らの生存を危険にさらす必要はないからだと述べています。宇宙からの視点に立って考えるアストロバイオロジーを提唱している著者ならではのロマンチックな見解です。ただ宇宙を認識できるまで発展してしまったがために我々は現在地球環境汚染という自らの生存の危機に立たされているというパラドックス!ノーベル賞候補に挙がっていると噂される著者の「宇宙からの視点」は我々の未来への方向性を考えさせられます。
「人間圏」の未来を導くヒント ★★★★★
宇宙人の目から、地球をシステムと捉えたらどのように見えるか。人類が「人間圏」を作ったことによる人口問題や環境問題などの「文明のパラドックス」を"人間中心でない"アストロバイオロジーで解いてみたら…。

2004年5月に開催された「ほぼ日刊イトイ新聞」主催のイベント『学問は驚きだ』(http://www.1101.com/event2004/)で松井孝典氏の講演を聞き、そのあまりの面白さに入門編の本書を読んでみました。200ページの新書に、非常に興味深い「ものの見方」がちりばめられており、より深く学んでみたくなります。

「人間圏」以前の1万~10万倍の時間の進み方(例えば自然の進化に対する遺伝子操作)にまで至り、「右肩上がり」幻想の暴走状態に入ろうとする人類を、科学と哲学を融合させ、導いていくヒントが本書には提示されているように思います。

いろんな歴史。 ★★★★★
歴史というものを様々なタイムスケールから見られる人というのはそうはいないと思う。宇宙の歴史、地球の歴史、生命の歴史、人間の歴史…。また、二元論と還元主義の限界という哲学テーマにまで掘り下げられた本書は、学問を志す学生はもちろん、文科理科の区別なく物事を見ようとする人には一読をお勧めしたいと思う。