何のことでしょう
★☆☆☆☆
買いましたが、私の知的能力では全然意味が分かりませんでした。
今の世界が物質でできている理由
★★★★★
ノーベル賞を受賞した小林誠先生が1997年に出版した本である。
マスコミがノーベル賞受賞理由の紹介で「CP対称性の破れ」という言葉を使用していましたが、その内容がよく分かります。数式の使用を最小限に抑えて、その内容を分かりやすく記述できる力量は素晴らしいと思います。
また、宇宙創成のときに物質と反物質との間に量的な差が生じ、この宇宙が物質で出来ている理由を説明できる可能性のある理論であることも併せて紹介されています。
まさに極微の世界から極大の世界までを紹介している一冊となっています。
「CP対称性の破れ」は、この当時はまだ、K中間子の崩壊でしか観測されておらず、Bファクトリーの実験・観測については「期待される実験」として紹介されてますが、現代物理の先端について理解が及んでいない私にとっては、それがちょうど良い頃合となっています。
この本が執筆された以降の動向については、他書で読もうと思いますが、それを理解する上でも知識の基礎を提供してくれている本だと思います。
未来の物理学者たちに読んで欲しい一冊としてお薦めします。
素人には薦められません
★★★☆☆
ノーベル賞受賞報道を受け、当該分野に興味を持った幾多の人間の一人です。
つまりド素人です。
ただ、学生時代、理系科目もそれほど苦手ではなかったので、
熟読すれば理解できるだろうと思い、読み始めました。
甘かったです。わかりません。
ブルーバックスですので、素人向けと思っていましたが、
本書を理解するには、一定の前提知識が必要であると感じました。
半分くらいまで頑張って読みましたが、そもそも理解できない箇所が多数あるので、
頭に残っている情報は、ごくわずかです。
しかし、反物質というものの存在など、
自分にとって驚くような世界に触れることができた点は良かったです。
ただ、他に、さらに分かり易い本があるのではないかと思っております。
新書にした意味は?
★★★☆☆
新書にするには難解過ぎる内容。
全体的な話の流れは解るのだが、各所の細かな話の内容は、文系人間の自分には、全くのお手上げ。
但し、そういったマイナスの背景の上に成り立っているにも拘らず、わくわくと心躍るような奥深い物理学世界も窺えるので、読み切れないで途中挫折となることも少ないであろう。
理系知識を蓄えた上で、将来もう一度読みたい一冊。
CP対称性が破れているから反物質が無いことの説明
★★★★☆
まさにノーベル賞の受賞理由が本人によって解説されています。刊行が1997年ですから、この書籍を企画した編集者の本質を見通した能力に感心しました。解説も丁寧で、歴史のながれ、それに取り組んだ人たち、理論と実験の説明などのバランスがとても良いですね。宇宙が有り、我々人類は存在しているためには、反物質が無いことが重要であることががわかります。反物質がなぜ無いのか、CP対称性が破れているからだと言うことが分かります。第4章がクライマックスかな。数式が多いらしいと聞いていましたが、使われている数学は、三角関数、指数関数の微分と行列の掛け算でしたので、そんなに難しく無かったです。著者は、これから増々お忙しくなるのでしょうけど、学生向けの教科書も書いてほしくなりました。