一般向けではない
★★★☆☆
これは決して一般向けではない。
ちょっと砕けた教科書と言った方がしっくりくる。
私は物理学科の学生で、専門外のこともちょっと知っておくかと軽い気持ちで読み始めたのだが、途中で挫折してしまった。
著者の中では常識なのだろうが、私にとっては初耳ということがしょっちゅうだった。
極端な話、専門用語の説明の中に専門用語が使われている。
この本を読んでいて、知識量の差から教授との会話が噛み合わなかった経験を思い出した。
ただ素粒子について軽く知りたいだけなら、Newtonなどをおすすめします。
素粒子
★★★★★
素粒子論というと、難しい数式ばかりでてくるものを想像する。
厳密な議論を進めることと、全体の流れを掴むことは、別にできることかもしれないと期待できる。
科学者の分かりやすい話は、これから素粒子論を学ぼうという人を増やす効果があると思われる。
素粒子理論発展のすべてを展望できる本
★★★★★
同名の第1版は、すでに何十年も前に刊行されていましたが、今回の改訂で、最新の情報が盛り込まれて、非常に価値の高い本になっています。
素粒子の分野でどのように理論が発展してきたかを、可能な限りわかりやすく書かれており、最近は類書が多く出版されていますが、ノーベル賞受賞者が自ら書いたこの本の価値は高いものがあります。理論物理に興味のある人なら、一読をお薦めしたい本だと思います。
素人にはやはり難しい
★★★☆☆
ノーベル賞受賞報道に触れ、当該分野に興味を抱き、
小林先生の著された「消えた反物質」と共に本書を購入しました。
つまりド素人です。
両書とも、熟読すれば理解できるだろうと思い、読み始めました。
甘かったです。わかりません。
両書ともに完全な理解を得るためには、一定の前提知識が必要であると感じました。
購入の際には、その点を想定されておいた方が良いかと思います。
尚、小林先生の上記著作との大きな違いは、
本書は、理論だけでなく、観測方法などの点にも力点が置かれているという点と思われます。
揺るぎ無き偉大な知性の証明
★★★★★
1981年、つまりこの度のノーベル物理学賞受賞の27年前に、既に本書の第一版にあたる「クォーク―素粒子物理の最前線」が著されています
クォーク―素粒子物理の最前線 (ブルーバックス (B‐480))
本書と「素粒子物理の最前線」を読んで驚く事は、「素粒子物理の最前線」の時から南部氏の素粒子物理の世界に関する解説には揺らぎが無い事です
とうの昔に南部氏はクォークを一般にも理解し得るレベルで世界に紹介されていた事に驚きました
27年前、「素粒子物理の最前線」を手に取りその世界を知る事になった方の興奮はいか程だったのでしょうか
「素粒子物理の最前線」「素粒子物理はどこまで進んできたか」共々、南部氏の知性が常に素粒子物理の最先端を切り拓いて来たという事を私達に証明しています
素粒子物理の軌跡を指し示す記念碑として歴史に輝き続ける名著です