子どもが喜ぶ本を選ぶための、児童書ガイドの決定版『The New York Times Parent's Guide to the Best Books for Children』の第3版。「The New York Times Book Review」の編集者が、あらゆる年齢の子どもを対象に、自ら選んだ推薦図書を紹介している。

   この種としては最も内容が濃く、権威あるガイドブックが、新世紀に向け全面的に改訂された。数百冊にのぼる本を新収録し、解説も大幅に増補。さらに、関連図書やあわせて読みたい図書を1700冊以上も併記している。20世紀に愛された名作はもちろん、過去10年に発表された中から、良書が選びぬかれている。

   本書は、読書能力に応じて、ワードレス（文字なし）、ピクチャー（絵本）、ストーリー（童話・物語）、アーリー・リーディング、ミドル・リーディング、ヤングアダルトと、6つのセクションから成る。各図書の内容のほか、タイトル、著者・イラストレーター、ハードカバーおよびペーパーバックの出版社と出版年数、受賞歴、関連作品など、図書館や書店で本を探すのに欠かせない情報も明記されている。

   このガイドブックの特色となっているのが、60以上にもおよぶ索引システム。親や祖父母、教師や司書、子ども自身までが、その子にぴったりの本を選ぶことができるよう工夫されており、非常に人気が高い。索引に目を通せば、興味や気分に合った本が見つかる。たとえばこんな風だ。赤ちゃん向けの絵本で、ネコ、ネズミ、あるいは恐竜が載っているもの。幼児に読んであげられる愉快な本。中学年向けの家庭生活や学校シリーズもの、または冒険ファンタジーもの。離婚や死をとりあげた本。ちょうど中学に入学する時期に読みたい、大人になることについて書かれた小説…。ほかにも少数民族や宗教に関する図書の索引や、年齢にふさわしい読書レベルによる索引など、たくさんの引き方で本が探せる。

   イラストをふんだんに使った装丁も魅力的だ（収録図書 から300点以上を掲載）。また、大きくとられた余白には、子どもがどの本を、何歳のときに、どんな理由で好きだったのかを書き込めるようになっている。このガイドブックは、貴重な情報源として幾度も使われながら、家族の読書記録として残されていくことだろう。