岸本先生は、百マス計算を小4の生徒から教えられて教育現場に導入した最初の方です。そのことが書かれているのがこの本です。岸本先生は陰山英男先生からしても師匠筋にあたります。
この本は、計算練習・読み書き練習の徹底を主張します。これが陰山メソッドに継承されていきます。
しかし、実は、それ以上に重要な主張があります。分析的な意見に止まるので読者の実践に結びつきにくいのですが「子供の語彙力で学力は決まる。それは親の資質で決まる」という理論です。
具体的には、親がふんだんに本を買い与えている家庭、親も本をいつも読む家庭の子供は高学力になり、親も本を読まない、子供に本を買い与えない家庭の子供は低学力になる、という明白な因果関係を述べています。
テレビ(今でいうならテレビゲーム含む)を親が見る家庭、子供に見せる家庭でも、長く見せただけ、子供の学力が低下する、と分析します。
これは至言であり、筆者以降もあちこちの教育者が繰り返し同様の分析を発表しながら、大部分の親が実践していません。だから、子供の学力低下が止まらない、ということではないかと思います。