芥川が翻案した有名な話(「大江山の悪夢」「赤鼻の僧」)も入っていますが、怪異譚、
エロチシズム、スカトロジーなど、筆者の趣味が作品の選択に反映されていますので、水
木作品として楽しむことができます。
本作はひとつひとつの物語がじつにあっさりしています。とくに怪異譚などは妖怪(産
女)、妻の怨念、鬼などをあつかっているにもかかわらず、ひとつも恐くありませんでし
た。性的な表現(下ネタ)が目立つ点も本書の特徴です。
「入れ代わった魂」
「産女」
「妻の恨み」
「色事師平中」
「霊鬼」
「大江山の悪夢」
「老医師の恋」
「かぶら男」
「赤鼻の僧」
「酒泉郷」
「堂の主」
最近の子供の本離れが進む中、これなら、漫画で楽しく、古典に触れられるし、しかも絵はあの水木大先生!と、まー何の疑いもなく、友人の子供にでも今度遊びに行ったときにあげようと思いつき購入しました。
ところが、あげる前に自分でちょっと盗み読みしてほんとーによかったです。もうちょっとで出入り禁止になるところでした。
この本は全く子供向きではありません!! 大人の人でもちょっと面くらいます。しかも一つや二つのエピソードだけがHなのではなく、もーそういう話ばーーーっか。トホホホ。
表紙の二股大根の絵からでも想像しようと思えばできますが。
後書きを読んで、何百もある今昔物語の話の中から水木しげる自身が話を選んだと判明。ちょっと納得。水木先生のテイストにあってるかも。
例えば「赤鼻の僧」という題のお話。これはこの本の中では珍しくH度が無い話なのですが。あるお寺の和尚さんが鼻を熱湯+蒸気にあてると、なんと!毛穴から虫が!わんさかと、これでもか!と、ぬくぬくと出てくるとう話。絵、かなりグロテスクで、笑えます。虫は小坊主によってピンセットで抜かれ退治されるのですが…。これって…?ビオレ?
昔の人のおおらかさに乾杯。
中学生以上だったら、よいかな?