アワ・マン・イン・パリ+2
価格: ¥1,700
モダン・ジャズの誕生、つまりビバップ期から活動するデクスター・ゴードンだが、50年代は不遇だった。60年代に入り、名門ブルーノート・レーベルに録音を開始し、完全復活を成し遂げたゴードンは、次にヨーロッパはパリへ移る。
ニューヨークでの暮らしを嫌いヨーロッパへ移ったジャズメンはこの時期多かったが、デクスターもまた、ケニー・クラーク(Dr)や、バド・パウエル(P)を頼ってパリへ。つまりニューヨークのジャズファンにとっては、「我らがデクスター」がパリにて録音したアルバムである。
モダンジャズピアノの開祖バド・パウエルはすでにパリにおり、パリにおけるバド・パウエル・トリオが旧友を迎えた再会セッションとなった。いい意味でリラックスし、久々に刺激しあい、名演が生まれた。ベテランと呼ばれるようになったとはいえ、旬を過ぎた連中の本場ではない場所での録音である。だが演奏は充実し、66年に亡くなったバド・パウエルの晩年の名演も聴ける名盤といえる。 (高木宏真)