矢継ぎばやに交えるユーモアは、曲にぴったりはまっているように聞こえる。ビートの効いた音楽のバックで奏でるときはいつも物悲しげだが、決して曲に乗り遅れたりはしない。とてつもない音色を響かせながらも、曲そのものやリスナーを圧倒することは決してない。それに、どんなテンポでも急がない。選曲はいつもどおり型破りで、大きくて愛らしい熊のようなたくましい胸のそばにいだいているのは知られざるバラードだ。優雅でファンキーなピアニストのソニー・クラーク、ブッチ・ウォーレン、ビリー・ヒギンズというリズムセクション陣とは、おたがいの持ち味を殺しあうことなく生かしあっている。(Marc Greilsamer, Amazon.com)