これを読んで何も感じないということはあり得ないだろう
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私の好きな小説家の小島信夫が翻訳を手掛けた本が夏葉社という立ち上がったばかりの「ひとり出版社」の最初の一冊として五月に出るらしいということを或る小島信夫ファンのブログで知ってから今か今かと楽しみにしていたのであるがなかなかセブンネットのリストに載らなくてまた普段立ち寄る書店でも見かけずにやきもきしていたところある日セブンネットに出現したので迷わず注文した。3編の短編を収録しており、表題作の「レンブラントの帽子」は傑作という前評判は抜きにしても、道行く者を思わず立ち止まらせる力がある。これを読んで何も感じないということはあり得ないだろう。最近じわりじわりと書店で平積みされているのを見かけるようになってきた。これで安心だ。