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東京、音楽、ロックンロール

価格: ¥16
カテゴリ: 単行本
ブランド: ロッキング オン
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読む度に ★★★★★
新しい発見がります。
いわゆるブログ本を買ったのは初めてなんですが
とても読みやすい本だと思います。
347Pもあるので厚いし、読み応えアリです。
是非、FAB BOXのドキュメンタリーDVDと一緒に観ていただきたいです。
インタビューや高円寺・自宅スタジオの写真はファンには涙ものです。
保存用にもう一冊欲しいぐらいです。

このブログ本の中で、志村さんはギターやアンプ・好きなアーティストの
お話を、それはそれは楽しそうに語っています。
残念ながら私は楽器や機材・洋楽に関しては、ど素人なので、
これを期に少しでも志村さんの愛した音楽を勉強できたらいいなと勝手に想っています。


本当に音楽が好きだったんだなと改めて感じました。
志村正彦さん。永遠のロック少年です。
ここにはミュージシャンとして生きることの全てがぎゅっとつまってる ★★★★★
 継続は力なり!24歳〜29歳までの日記はさすがに圧巻。しかし、確実に年を重ねているはずなのに、文章がずっと
志村君は志村君!フジファブリックの歌詞のままの志村君であった。芸術家ならではの創り出す事への苦悩や試み、凛とした雰囲気と対照的な人なつっこさ、孤独。日々の全てが飾らず正直に書かれていることに正直驚いた。こんな思いで生み出した楽曲をどうしていい加減にきけようか。これは志村君が好きな人もそうでない人も、バンドマンとして生きたひとりのミュージシャンのエッセイとして充分楽しめる本なのだ。この先彼によってこれ以上綴られることのなくなった日記だが、彼が愛してやまなかったバンドメンバーや彼を慕う人たちによって、この先もフジファブリックの歴史が刻まれつづけることだろう。
あまりにほろ苦い一冊 ★★★★★

ミュージシャンならではの孤独や不安、とまどい、焦りが、
行間からにじみ出ている。

この本を読んで、ここまで真摯に何かに打ち込むって
自分にはとてもできないなと思い、ショックを受けた。

ファンを心配させないよう言葉をすごく選んでいる
彼の優しさと賢さにもグッときた。

個人的には、ミュージシャンを志す男子にぜひ読んでほしい。

エールをおくりたくなる一冊 ★★★★★
 いわゆるWeb上に掲載された「日記」を再編集したものだが,その当時の心情を語る本人のイン
タビューを数多く挿入したり,音楽生活の原点の地での取材・インタビューを巻末に付加したりして
いる。

 特に随所に挿入されているインタビューは,この本を単なる事実や感慨の羅列に終わらせず,志村
正彦という一人の青年が,自分の選び取った生き方の中で悪戦苦闘する「心の軌跡を描く物語」にし
てく役割を果たしている。

 本人の内面の状況や作家としての悩みなどおかまいなしに,冷酷にも進行していくライブやアルバム
制作,様々なメディアからの取材,プロモーション活動。無からの創造というとてつもない重圧に常に
押しつぶされそうになりながらも,自分の選んだ「生き方としての音楽」の世界にどっぷりつかり続け
る日々が,日記とインタビューの組み合わせによって,手に取るように伝わってくる。

 その時々の心の有様は時に息苦しくなるほどで,自分の生き方を追い求めていくことが「才能」とか
「努力」とか単純な言葉では表しきれないことを思い知らされる。そこには不安や苦悩を抱えながら,
何とか形になり難いものを形にしようと,あがき,のたうち回る人間の等身大の様がつづられている。

 現在のような不況下,就活にあくせくする多くの青年が「将来への不安」や「自分の能力への疑念」
を感じつつ生きているのは当たり前だ。だからここにつづられていることも何も特別なことではない。

 しかし志村正彦という青年の違うところは,ああだ,こうだ言い訳や独り言を言いながらも,自分選
んだ道を投げ出さず,とりあえず今のところではあるにしても「なりたかった自分」のどこかにとどま
ろうと決意し続け,また多くの代償を払い,貴重な時間を大量に費やして,夢を一つずつ現実にしてい
っているという点だ。

 吉田のコンサートのときの彼のコメントにも感じたが,夢を実現した先にあるのは,その先の夢を実
現するまでの過酷な現実の日々だ。本の後半では,そういう現実に対する自己肯定感の低さと音楽を続
けていくことへの思いがない交ぜになったものが解決できないまま時間が過ぎていったことが語られて
いる。その苦悶を通した一つの答えがアルバム「クロニクル」だと考えると,本人の言った「ノンフィ
クション」の意味や「一見わかりにくい歌詞の意味」が非常によく理解できると思う。

 読み終わった後,不安の中,自分の思いに誠実に生きようとする無数の若い世代の代表として思わず,
「正彦がんばれ」とエールをおくりたくなる本である。