大道具の作り方や安全な舞台を作るための心がけなども書いてあって
見かけよりははるかに便利な一冊。
特に学校の演劇部にあればとても心強い。
残念ながら、用語の解説など、間違いもいくつかあるので、プロフェッショナルとして、またはアカデミックに舞台の世界を究めようとする方にとっては、別の書籍を併用してスタンダードとするべきである。
しかし、この「舞台監督」という分野の書籍が国内では非常に希少であることを考えると、一冊手元に置いておくべきだろう。値段の数倍の価値がある。
何より、イラストや文体が非常に読みやすく、とても楽しい。
著者は高校演劇の指導者ということだが、学校演劇に限らず、舞台の世界に入って間もない者にとってどういう姿勢でのぞむべきかというポリシーやヴィジョンが、しっかりと反映されている。つまりそれは、舞台の世界における礼儀作法であり、挑戦する姿勢であり、創造する悦びである。
特に、全国の高校演劇の指導者・部長には是非読んで貰いたい。