青春デンデケデケデケ デラックス版 [DVD]
価格: ¥4,935
ときは60年代後半、四国は香川の観音寺町が舞台だ。ベンチャーズの『パイプライン』に天啓を受けた高校生の「僕」(林泰文)が、仲間とロックバンドを結成し、情熱を燃やし続ける姿をほのぼのと、そしてノスタルジックに描いた青春映画の快作である。
原作は第105回直木賞を受賞した、芦原すなおの同名小説だ。男の子の繊細な純情を軽やかに描く手腕は、大林宣彦監督作品ならではの味わいである。また、彼にはめずらしく特定のマドンナを設けずにドラマが進められるが、それでも大林映画の常連である柴山智加などの女の子が登場すると、にわかに画面が華やぐのがおもしろい。
お寺の息子でバンドのメンバーの1人を好演した大森嘉之が、その年の新人賞を総なめした。また、浅野忠信がバンドのメンバーの一員として出演している。(的田也寸志)