ニューポートの追想
価格: ¥3,990
1976年のニューポート・ジャズ・フェスティバルでは、ハービー・ハンコックの半生を振り返るという企画が催された。メインは、60年代に所属していた、マイルス・クインテットの再結成。しかしマイルスが半引退状態だったため、同期のフレディ・ハバードを代役に立てた。一夜限りの公演ということで、「ベリー・スペシャル・ワンタイム・パフォーマンス」と名づけられたクインテットだった。ところがあまりに好評のため、全米ツアーを行うこととなる。そのライヴ演奏を収めたものが本盤である。
内省的で芸術的な響きのマイルスに対し、屋外コンサートを盛り上げるに適したフレディー・ハバードの参加で、マイルス・グループとはまったく違う、個性的なグループとなった。オープニング<1>は、そんなハバードの個性がよく出たオリジナルだ。ただのオールスター寄せ集めではなく、ユニットとしてもまとまっている。熱いジャズのかっこよさをこれほど強力に印象づける演奏もそうはないだろう。(高木宏真)