固体物理のスタンダードとして
これを一冊読めば固体物理の基礎知識は得られると思う。
ただ、日本語訳が非常に読みづらく、
それを理解する方に気を取られがちである。
原書を読んだ方が理解が早かった箇所がいくつかあった。
また、この本は版が変わるごとに必要な部分が削られ
誤字誤植等が増えていくのはなぜだろうか。

これから固体物理を勉強される方は、
他の本を探すことをお勧めします。

本書は固体物理学の学部上級レベルの内容を収めた日本国内でも最もスタンダードな教科書である。キッテル固体物理学入門と言えば固体物理（物性物理）を勉強する人なら誰でも一度は聞いたことがあるくらい有名である。本書はそのあまりにも有名な教科書の最新版である第７版の邦訳である。この教科書の特徴は何と言っても扱っている内容の幅の広さとバランスのよさであろう。本書は版が変わるごとに内容がところどころ変わっておりこの第７版は以前の第５、６版よりも大幅に内容が更新されている。従ってその分読みにくくなっているところもなきにしもあらずである。とは言うものの学問の基本はよほどのことがないかぎり変わることはないので安心して必要な章から読んでよいと思う。

学部生の頃、輪講で原書を部分的に読んだことがあります。
一生懸命読めば、なんとか理解できる内容ではあったのですが、
日本語にしにくい、英語特有の簡潔な表現がしてあり、
どのように訳してあるのかが知りたくて、
この翻訳を手に取ったのですが、やはり日本語にはしにくいのだな、
ということが良く分かりました。

　この本は内容が豊富で図が充実しているので持っておきたい一冊です。これ一冊（上巻だけでも）で物性の基礎はある程度固まります。ただ、入門書にしては難しいです。内容が豊富な分説明がそれほど詳しくなく、補足してほしい所が多々あります（例えばクロ-ニッヒ・ペニ-モデルの近似式や、ラウエ方程式とエバルト球など）また、章の終わりにある問題の中にはかなり難しいものがあります。内容が充実していてるので物性が好きな人には良書ですが、それほど好きではない人は途中で挫折してしまうのではないかと思います。じっくり長い時間をかけて根気よく理解する参考書だと思います。

世界的に有名な本である．著者は，実験物理の大家であり，磁性研究で大きな仕事をされている．

この本は，改訂されるたびに記述が洗練され，物性物理全般に渡るよう注意深く内容の取捨選択が行われている．訳の日本語も，英語同様に洗練されていてよみやすい．

一方で，本文の記述が非常に簡潔であるため，初めて読む際には，なかなか理解できない．そのため章末問題を考えてみること必要だと思う．解答集が丸善から出ている．

なお，学部段階では上巻を持っていれば十分であるが，実際に，大学・会社で研究開発に携わり始めると，下巻の内容が必須となる（超伝導，磁性などの内容が下巻にあるため）．したがって，上下セットでの購入をお薦めする．