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武士道 (ワイド版 岩波文庫)

価格: ¥1,080
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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現代社会に生きるすべての人に、必読の書!(笑) ★★☆☆☆
この本はもともと、外国に日本の文化を紹介するという目的で書かれたものであり、よく耳にするような「現代社会に生きる人達への教訓」であるとは到底思えないのだが、、、まぁ名著は評価が分かれるもの、ということが少し分かったような気がした。若干卑怯かもしれないが、「現代社会にこそ役に立つ!!」とおっしゃる人が多いことを踏まえて、その観点からレビューしたい。


「正直であれ」、みたいなことを言っているくだりがある。けれども、また別のところでは、「主君を守るためについた嘘は素晴らしいもの(追われている主君を逃がす場面)」と述べる。現実主義といえばそれまでだが、言ってることが違うじゃん!と思う人も少なからずいるだろう。

それに対して、「そんな主張は揚げ足取りであって、自分が信じ、従事する主君のためには、例え命を投げ出すことでも素晴らしいことに代わりはない」という反論があろう。だがしかし、本当にそうなのだろうか。この本のエピソードに出てきた武士の名前は失念したが、当時の武士が世襲制であったということを念頭に入れるならば、「自分が信じ、従事する」という部分に疑問が生まれてくる。「生まれ」という本人にとっては外部的な要素によって決定する「主君」に対する信奉と従事は、果たして本当に「忠」となりうるのであろうか。

もちろん、自分が本当に信じ、従事する人のために命をも投げ出す覚悟を持つことは、素晴らしいことであると思う。しかし、より人間にとって大事なのは、どのような人物を信じるかという自らの「思想」であると思う。
新渡戸博士の生きた時代、武士の全盛期の時代には、日本人は皆、自らの確固たる思想をもっていたのかもしれない。しかし、私の直観では、現代の日本人にはそのようなものなど無い。

現代の日本人を論じていてもレビューにはならないのでやめるが、この本は若干高尚なプロパガンダ程度のものであろうというのが、率直な感想である。この本を読もうと思っている人には、前提とされていると思われる「思想」についてじっくり考える機会にしてもらいたい。
 山岡鉄舟こそが武士道の体現者です! ★★★☆☆
 坂本竜馬のドラマに刺激されてか「侍」とか「武士道」への関心が高まっているようです。 タイトルが直接的だからかこの本を読む人が多いでしょうが、幕末から明治維新への混乱期を勝海舟を説得してまで、江戸城の無血開城に決死の覚悟で奔走した山岡鉄舟の伝記をまず読むべきです!

 『何でもかでも、死を軽く見ることが武士道であるかのように早合点をする人が居るが、わしはそうは思わない。死を恐れるのは卑怯なことだと言うのは言うもでもないことだが、それと同じように死を急ぐのも良くない。俗人は知恵が在り過ぎて死を急ぐか、そうでなければ死を恐れるかのどちらかになる。困ったものだ! こういう生死に執着する人とは、世の中の大事を一緒に担っていくわけにはいかない。 

 元々、我が国の武士道では、このようなことは言わなかった。』 以上、「山岡鉄舟に学ぶ人間の器」からです。
青年へ推薦する書の一つ ★★★★★
後発レビューのため本書のサマリなどはザックリ割愛する。命は何よりも大切にすべきだが、美学哲学をもって生きることも重要である。原文で本書を読んだ欧米人はさぞかし日本人に厳格さと恐れを抱いただろう。歴史を概観して見ると、この“武士道精神”が良いのか悪いのか・・・私にはまだ答えが出ていない。これほどの“諸刃の剣”は他に無い。ともあれ日本人の精神性を学ぶにあたり外せない文献であることに疑いはない。なお同内容他書に比べて本書の訳がベストと考えている。
もともとは英語の本 ★★★★☆
武士道は、文庫本で全編音読で読みました。武士の心得を得た感じですが、感動的にはあまり感じませんでした。「菊と刀」の方がより、深い感動はありました。武士については、当然古武術ブームでの出会いであり、作法については、この本が原点なのかもしれません。
新渡戸稲造とは何者か?ということで、5,000円札になった人にも関わらず、謎の人でした。北海道大学に入学したかったのですが、北大の代表人物として内村鑑三等とともに名前があがってくる人ででしたが、武士道の作者であることが後でわかり、当時としてはちょっとした感動がありました。
1980年代にははっきり言えば埋もれていた本であり、何かのきっかけで価値が再認識されたように思います。日本の文化とは何かを探るということでその一助にはなると思いますが、宮本武蔵の「五輪書」のような精神論、具体策を論じているのではなく、日本人の文化は武士道からきているというための説明であり、欧米人にとってのキリスト教のようなものだということですが、すべての日本人が武士ではないので、武士出身である、新渡戸氏の一見解として解釈すべきかもしれません。
 この本では英語と日本語訳がページで別れているため、非常に分かりにくい英語(単語が現代となじんでいない、または、ネイティブイングリッシュであるのか)なかなか難儀したものでした。(全部網羅しているのかは少し疑問ですが…)
新渡戸がなぜキリスト教徒になったかが大事 ★★★★☆
新渡戸は幕末期の侍階級出身である。彼は維新後、札幌農学校に入学しクラークの影響の下、キリスト教に入信する。忠孝を誓うべき主君を喪失した幕末期の侍の子孫がキリストに忠誠を誓ったのである。内村鑑三も新渡戸と同様の境遇に在った。従って、キリスト教徒が武士道を書いたという単純な見方は不正確である。正確に言えば、主君を失った若い侍が、新しい忠誠心の対象としてキリストを選択した結果、『武士道』が生まれたのである。