エミルー・ハリスは、1980年にリリースしたこの自らのルーツに戻ったアルバムでキャリアの頂点に登りつめた。トニー・ライス(アコースティック・ギター)、アルバート・リー(マンドリン)、リッキー・スキャッグス(フィドル)という優れたメンバーのサポートを受け、ハリスはトラディショナルなカントリーの世界や、ブルーグラスという名の牧草地を親愛の情をこめて悠々とさまよっている。スキャッグスやドリー・パートン、ホワイツに美しいハーモニーを加えてもらいながら、ハリスはカーター・ファミリー、スタンリー・ブラザーズから、ルーヴィン・ブラザース、ポール・サイモンまで軽々と歌いこなしている。
圧巻は、ライス、スキャッグス、リー(とびきりすてきなエレキ・ギター)、ドブロの巨匠ジェリー・ダグラスが演奏を熱くするフラット&スクラッグスの「I'll Go Stepping Too」と、ハリス、スキャッグス、ライス、ジョニー・キャッシュが4パートの軽快なコーラスを添えたスピリチュアルな「Jordan」だ。2002年リリースのこのリイシュー盤には、ボーナストラックとして未発表曲2曲も収録。(Marc Greilsamer, Amazon.com)