人間・ゴッホとの対峙
★★★★☆
ゴッホが描いた多くの名画。今日では何億もの価値がついて美術展の目玉にならないものはないというほどだが、ゴッホ自身が生きている間に作品が売買されることはほとんどなかった。
ゴッホとは一体どんな人物だったのであろうか。
―自らの耳を切り落とすほど、精神を犯されていた。
一般的に語られている狂人、ゴッホ。そのイメージが、ゴッホと接しながらもついに理解するに至らなかったある人物によって構築された偽のものであるということが、傑作「寝室」の一枚のスケッチの検証から明らかにされていく。
ゴッホは愛する人たちのために、ひとりの画家であるために、何に苦悩し、どんなメッセージを「ドービニの庭」に託したのか。
その死から200年余り。著者、小林英樹によって私たちは人間・ゴッホと、対峙する。