HIP POP BOP
価格: ¥3,000
2001年発表のデビュー作『ガール・トーク』、7曲入りのミニ・アルバム『アップストリーム』に続く作品で、その内容はというとこれが実に多彩。『アップストリーム』の路線を踏襲したジャム~クラブ系サウンドもあれば、オーソドックスなスタンダード・ジャズもあるといった具合で、さまざまな表情が楽しめる。
クラブ系のセッションは田中義人、スタンダード・ジャズはピアノの吉岡秀晃がおもにサウンド・プロデュースを担当している。デビュー作に近い雰囲気はスタンダード・ジャズだが、本人はジャズに固執する気などまったくない様子で、好奇心のおもむくまま、あらゆる音楽に関心を示しており、そうしたなんでもあり状態が1枚の中に同居している点が痛快だ。ガンズ&ローゼスの<4>とビリー・ホリデイの名唱で知られる<5>をまったく同じオルガン・トリオをバックに歌っているあたりは、まさしく面目躍如といったところ。ほかにスウィング・アウト・シスター&ポール・オダフィとのコラボレーションもあって、タイトルどおりヒップでポップな作品。(市川正二)