本作『ConstruKction of Light』で、キング・クリムゾンは何と活動暦30年を突破し、4人編成へと小型化を果たした(フリップ、80年代から参加したギタリストのエイドリアン・ブリュー、90年代にメンバーとなったタッチ・ギターのトレイ・ガンとドラムスのパット・マステロット)。奇妙な哀愁を感じさせるデルタ・ブルースのパロディー「Prozac Blues」以下、おなじみの催眠的なポリリズムが展開するタイトル・トラック、ハーモニーが大胆な「Into the Frying Pan」、繊細で広がりのある音づくりが印象的な「FraKctured」と続いていく。「The World Is My Oyster」は、ほとんどピンク・フロイド的な視点と雰囲気を感じさせる。いや、そのピンク・フロイドだって、こんなに不思議な説得力を持った曲は70年代以降生み出していない。
全編で強烈な演奏が繰り広げられ、トゥール、マリリン・マンソン、ナイン・インチ・ネイルズといったバンドに脈々と受け継がれているヘヴィなリフがさく裂する。『ConstruKction of Light』は、モダンであるだけでなく、絶えず変化している――あらゆる意味でプログレッシブな音楽なのだ。(Jerry McCulley, Amazon.com)