イランを中心としたオリエントの歴史を概観するにはいい
★★★★☆
文庫版世界の歴史シリーズの1冊。
今回は古代オリエントから、キリスト教の成立、ローマ帝国の支配までといったかなり長い期間にわたるオリエント世界の歴史を対象としている。
とにかく豊穣な歴史を持つこのオリエント世界だけに、登場人物も半端な数ではなく、なじみのある人物はともかく、すべての人物を追い切れない。
やっと大雑把な流れを理解するにとどまってしまったが、そのダイナミックで現代にもつながる歴史の豊かさには圧倒される。
ただ、残念なのはこの本自体が出来事中心で、ストーリー性が乏しく(歴史書だからしょうがないのかもしれないけど)、せっかく面白い時代、地方を描いているのに物足りないところ。逆に、もっとこの時代を知りたいという気持ちにさせられたから、これもいいか。