ルネサンスに登場した人物を紹介したインテルメッツオがとてもいい
★★★★★
10年ぐらい前に出た本の文庫化。ハードカバーも読んだはずだが改めて購入た。
今、お気に入りのコミックで、惣領冬実の『チェーザレ‐破壊の創造者』があるが、それを読むための基礎知識としても読んでみた。
ルネサンスといっても、イタリアだけでなく、フランス、スペインといった地中海世界を含めた歴史、さらには極東、日本への影響も記述している。
基本的に、世界史が苦手なので、こういった入門書はとても分かりやすくていい。
高校時代、もっと勉強しておけばよかった。やっぱり大学受験していないのが、知識不足の原因かもしれない。
ルネサンスに登場した人物を紹介したインテルメッツオがとてもいい。
「地中海世界」のなかでの「ルネサンス」
★★★★☆
「ルネサンス」という現象を「地中海世界」という枠組のなかで捉えている。
ルネサンス期の、精神的、技術的な変化、地中海世界の政治状況だけでなく、
「くらしのなかのルネサンス」で、ルネサンスは人々の日常生活にどのような影響を
あたえたのか、という点も押さえている。
オスマン帝国の進出や、大航海時代の到来によっても、地中海は衰退していなかった
という指摘や、戦国期の日本にルネサンス文化が到来していたという指摘などは面白かった。
ルネサンス期の人物も章の合間に紹介しているが、記述量は多くはない。
「ルネサンス」という現象を知りたい、という人に推薦したい。
原著は1996年に出版されている。旧版では、本文中の図版は全てカラーであったが、
この文庫版では、口絵以外の図版はモノクロになっている。
本文中には、「大印刷時代」への言及があまり無い。しかし、文庫版のあとがきで
著者は補遺として「大印刷時代」について述べている。
ハードカバー購入を薦めます
★★☆☆☆
以前、同出版社より刊行されたシリーズの文庫化。しかしながら、ハードカバー版と価格が千円くらいしか違わない。収録された図版はほとんどがカラーからモノクロになってしまったのに、1500円以上するのは酷い。
メリットは場所を取らない事、ただそれだけ。
文庫のお手軽感が微塵にもないのを考えれば、千円と書架のスペースを犠牲にして、ハードカバーを購入するのが上策。