ニアネス・オブ・ユー:ザ・バラード・ブック
価格: ¥2,548
マイケル・ブレッカーというと、ブレッカー・ブラザーズに代表されるパワフルな演奏をついイメージしてしまう。しかし本作はバラード作品だけあって、メロディをじっくりと吹いている。こういうマイケルもまたオツだ。
メンバーのすばらしさも特筆ものだ。なにしろプロデュースとギターはパット・メセニー、ピアノはハービー・ハンコック、ベースはチャーリー・ヘイデン、ドラムスはジャック・ディジョネットというオールスター編成なのだ。加えて<2><5>はジェームス・テイラーのヴォーカル入りだ。<2>はテイラー73年のヒット曲だが、実はあのバックでサックスを吹いていたのはマイケルだったのだ。何度も共演しているマイケルとテイラーだが、この曲は両者が初めて共演した思い出の曲なのだとか。
独自の選曲も魅力の1つだ。この種のアルバムにありがちなスタンダード集ではなく、自作やパット・メセニーの曲、ジョー・ザヴィヌルの<4>などをとりあげているのがいかにもマイケルらしい。ボーナス曲<12>は、ジョン・コルトレーンが「バラード」で演奏していた曲だ。(市川正二)